『【愛してる】を知りたいのです』
戦争の兵器として使わされてきた少女が、初めて自分の意思を示す。
感情を知らない少女が、手紙代筆の仕事である「自動手記人形」として人々の希望や絶望、後悔、そして人の温もりに触れながら、
感情という「目には見えないもの」が持つその豊かさや重みを学び「愛とは何か」を模索する。そんな話。
かつてこれほど心が揺さぶられるアニメ作品があっただろうか…と思えるほど、作画、音楽、ストーリー、どれを取っても素晴らしい。
それまで感情を押し殺して生きてきたヴァイオレットにとってみれば、人の心の内ほど難解で怖いものなど無いのでは、と感じる。
だからこそ、戦争の武器として扱われ、ひとりの「人間」として生きることをしてこなかったヴァイオレットが感情の機微を理解し、代筆を通じてかつての自分と同じく戦火の中を駈ける人々や、その戦士らを待つ人々の心の傷や願いに寄り添い救いをもたらす姿にあたたまり、そして自然と涙してしまう。
【愛してる】の意味を知ったときのヴァイオレットの表情が忘れない。
何度観ても変わらず好きな作品。多くの人に届いてほしい…!