このレビューはネタバレを含みます
特殊能力によって、自分自身に苦しめられる人間特有の葛藤を表していると思う。それが如実に育まれていくのが思春期の世代。傲慢になって闇堕ちしてしまった人間を救っていく生徒会の活動がコミカルでありシリアスであり、そのバランスで入り込んでしまう。とても興味深いテーマだと思った。
と上記が8話まで見た感想だが、9話から怒涛の展開で、しばらくドラマや映画しか見ていなかった自分、久しぶりにアニメの刺激を受けた!!アニメにしかできない壮大な物語はやはり見応えがある。特殊能力を全て1人に集め、思春期まで耐え忍びこの世から無くすという作戦に出たわけだが、特殊能力があったからこそのいろんな人との出会いがあり、運命って残酷だけど素敵なものでもあるなと思えた。お兄ちゃんと再会した後の重苦しいムードから少しだけ息抜きできた病室の食事シーンは象徴的で、結末がどちらに転んでも自分はこの世界で生きていくことを愛せるなって思った。思春期特有の悩みを具現化しているのだと思うけど、身の回りにいる人たちのために戦うのが自分なり答えだと気づいた。
最終話にかけて、主人公が人道に反することはしたくないという気持ちになったのが答えだと思う。最初はカンニングなど自分の能力に漬け込んでいた自分のために生きてきた人間が、誰かを願って生き抜く姿は良かったし、アニメなどのファンタジー的な世界観でないと表現しきれないテーマだとも思った。能力をどう使うか、これから楽しく生きるにはどうすればいいかわかった。
日本でこういうサブカルチャーが発展してるのって、他の国よりも平和度が高いからなのかもしれない。もし平和でない国の人たちに日本で今流行っているアニメを見せたら、自己犠牲などが現実的に写ってしんどくて見てられないと思う。平和だからこそ、主人公たちの生き様を和やかな日常生活に柔らかく反映することができるのであって、それは誇りに思うべきことだなとも思った。いつまでもアニメが人気な国であってほしい。