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パンチラインのEegikのネタバレレビュー・内容・結末

パンチライン(2015年製作のアニメ)
2.0

このレビューはネタバレを含みます


ゲーム版未プレイ

吉田有里さんがチラ之助役で出演しているので前から見たいと思っていたのをようやく一気に最後まで観た。
雑に言うと、シュタゲ×約ネバ×君の名は。って感じの話だった。(君の名は。とシュタゲでループ要素が被ってるので片方だけで十分という説もある)
なんというか、いいかんじのB級アニメとして評価できる気がしないでもないんだけど、ループ物が苦手なのでじぶんは全然楽しめなかった。
伏線回収のための伏線でしかないのがキツイ・・・というか、こういうのは「伏線回収」とは言わなくね……? まったく同様に、後半はシリアスのためのシリアスでしかなく、こんなのぜんぜん、本物のシリアス展開ではない。キャラクターのバックグラウンドの設定、その回想としての語り方、すべてが雑。
これで伏線回収スゴい!とかシリアス展開!だとか思っちゃう人とはだいぶフィクションの受容態度が違う。


「パンチラ」がテーマのわりにはお下品コメディ要素は強くなく、むしろ無駄に気取ったサブカルっぽさがややある。主にデザイン面でり(キービジュアル、カッコいいですよね。)
毎話のサブタイトル表示とアイキャッチ画面のイラストがすごく好き。エンディング映像のデフォルメ絵もすき。
ヒャダインのオープニングもわりと好き。

主要キャラが全員「古来館」に住んでいて、主人公の伊里達遊太(いりだつ ゆうた)が幽体離脱をして壁をすり抜けながら各部屋を移動して映していくという点で、シットコム的なシチュエーションコメディの趣きがあって、その方向にもっと振り切っていれば好きだったかもしれない。が、特にループ(U-TURN!)をし始める後半は、古来館の館内だけでなく、その周辺の神社やら池やら屋上やら林やら……といった場所が舞台となることも多くあり、その一方では宇宙とか国家組織とか謎の団体とか、規模がデカすぎる要素が絡むにも関わらず、それらと古来館との地理的・空間的な位置関係の描写はいっさいされず、古来館という場所が宙に浮かんだままに、閉じることもできず、微妙に「その周辺」という広がりだけを伴って描かれるのが、なんともどっちつかずで残念だった。
ほとんど館内だけで完結する、ストイックなシチュエーションドラマにするか、もしくは古来館をその他の広い世界のなかにしっかりと位置づけて話を作るか、どちらかにしてほしかった。

幽体離脱状態であれこれしていくうちに「幽体レベル」が上がるとか、最初は入れない部屋(自分の部屋)があるとか、設定が露骨にゲーム的で、「ゲームをアニメで表現する」ことに挑戦している作品なんだとすればちょっとは評価できんこともないかな、と思っていたが、途中で実際にゲーム版が存在し、ゲーム企画が先にあっての(先行した)アニメ化なのだと知ってむしろガッカリしてしまった。「ゲームっぽいアニメ」なら面白いけど、実際にゲーム版とアニメ版が存在する同時並走企画なのは、なんか違うじゃん・・・いや、それならそれで興味深く掘り下げられはすると思うんだけど、ゲーム版までやるモチベはないし、じぶんが当初抱いていた面白さとは異なるので一気に興味が失せた。

あとは、キャラが全員、絶妙に好みではなかったのもデカい。あ、でも最終話で精神がもとにもどった遊太(中身はちよ子)はシンプルにかわいくて好き。

主人公の遊太が最初「本当は女らしい」と聞いてトランスジェンダーか!?と驚いたが、真相は、肉体が(生物学的)女性なのを「男装」していて、中身=精神は(シス)男性であった。つまり、「異性装×男女入れ替わり」ということで、二重に倒錯した結果、見た目は「普通」の男主人公になっている。これはちょっと面白いかもしれないと思った。

「パンチラ」にストーリー上の重大な意味が付与されている物語だが、最終話の後日談ラストパートで、死んだ男主人公の仏前にパンツを「お供え」したあと、ヒロインたちがすっころんでも一瞬パンツが見えず、主人公が死に、『物語』が終わったことでパンチラが存在しない世界になったことを暗に示しているのか!?と考えてテンションが上がったが、その数秒後にふつーにモロなパンチラが大量に出てきてワロタ。早とちりだった。
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