このレビューはネタバレを含みます
原作のラノベがものすごく好きだったが、アニメはリアタイしてなかったので、大人になった今、改めて視聴した。
神様が世界を捨てた事で、人が生まれなくなり、同時に死ねなくなった世界の話。
正確には心臓が止まっても活動を続けられるものの、精神は壊れていくし、防腐処理を施さなければ、肉体が腐ってく。
しかし少なくとも物語の初期の頃は、頭打ち抜けば止まってた。
墓守と呼ばれる存在が土をかける事で、死者はようやく死を迎えられる。
この物語は、そういう不思議な生死観に包まれている。
原作の内容を、よくぞここまで纏めたな、という気持ちと、端折りすぎ&詰め込みすぎだなという悲しみが混在している。
まず、絵は最高。よくあの内容を映像化したな、と感心するばかり。
ただし、特に最初らへんの主人公アイちゃんの心理描写はもうちょっと加えて欲しかった。
ユートおじさんが目の前で頭撃ち抜かれて、他の村人も、新しく両親になってくれたヨーキもアンナも死んでて、その犯人が自分の本当の父親で、自分だけが生き残って申し訳なくて、
でも、父親に着いて一緒に村を出ていく決心をするアイちゃんの心理描写を!もうちょっと詳しく描いて欲しかった!!
あと、原作四巻の世界塔(ザ・タワー)のシーンが丸々カットされていたのは残念だった。
漫画にもなっていないため、書き手の想像力が試されるけど、映像化していたら、絶対綺麗だった。
しかし、その世界塔の1番大事な部分である、スカーさんの苦しみ(母親としての人生か、自分のキャリアのどちらをとるか)が描かれていたのはとても良かった。
ラノベを読んでいた当初は、スカーさんが子ども(セリカ)の母親として戻ってきてくれて良かった、と思ったが、
アニメを見て、自分が望んで(?)産んだわけではない子どもを選ぶのって、難しいよな、と思う。処女懐胎みたいなもんだし。
どんな選択でも、悩んで選択して、結果幸せになってくれて良かったと、心から思う。
OVAの特典映像では、超絶美麗なハナとキズナの出会いシーンを見ることができ、なんだか涙が出た。
2期ってもうやらないんだろうな…
アイちゃんが夢破れてぶっ壊れるのとか、カヴン(魔女旅団)とか、イソラ・エドワーズや、ナイン・サイカヴァッティも見たかった。
あと、ディーちゃん(cv.キタエリさん)がとても好きです。