つり球の3の情報・感想・評価

エピソード03
寂しくてキャスティング
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あらすじ
釣りの面白さに目覚めたユキだが、今度はキャスティングに苦戦する。今度は諦めず、特訓の毎日。そんなユキを応援するハルと夏樹。ずっと一人ぼっちだったユキに、誰かと一緒にいる時間が少しずつ増えてゆく。
コメント1件
まりん

まりん

このコメントはネタバレを含みます

本格的に釣りがスタートしたものの、闇雲に釣ろうということはなくまずは江ノ島丼パワーも借りつつキャスティング練習。 こういう専門用語を散りばめながら基礎を固めていくという丁寧な描写は結構好き。 そんな中、ケイトの入院が決まりユキのメンタルが危ういことに…。 転校にしろケイトのことにしろ慣れなくてもいいことに無理に慣れようとしているせいか、かえって気持ちの整理がつけられていないようで痛々しい。 相変わらず宇宙人全開なハルともギクシャク。 死生観についてはよく分からないけれど、苛立つユキを見ていると悲しい気持ちになるハルが愛おしかった。 辛いシーンではあるけど、不安定なユキと分からないことだらけでも少しずつ勉強していくユキ、そんな2人を優しく見守るケイトの3人の関係は優しい世界に感じられた。 夏樹の「そういうときこそ投げんだよ!」という言葉が2話の家庭環境の描写を思い出すとなんだか深みを増す。 お母さんが亡くなったときも同じ行動を取ったんだろうな…。 降りしきる雨の中、ユキは再び竿を手に取り練習へ向かう。 今まで般若顔になるのは不安や緊張を強く感じたときだったけど今回はちょっと違う。 苦難に直面してもがくという同じ意味合いでも、異なる場面で持ってくることでユキの成長を感じさせる演出が上手い。 キャスティングを諦めず失敗しながら何度でも挑むユキと、ユキを信じることを諦めないハルが重なり、成功の瞬間がより大きな喜びとなって伝わってきた。 ユニノットのときもそうだけどふと冷静になって夏樹の助言や行動を思い出すことが成功の鍵になっているのは割とリアル。 ラスト、そんな2人を見届けて走り出し込み上げてきた喜びから思い切り叫んでしまう夏樹がまた青春すぎて…。 キャスティング成功への道のりと生死への価値観の違いから来るユキとハルのすれ違いを掛け合わせ、「ありがとう」という気持ちの尊さでまとめる話の構成のすばらしさに感服。