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オビ=ワン・ケノービのもじぱんのレビュー・感想・評価

オビ=ワン・ケノービ(2021年製作のドラマ)
3.1
ユアン・マクレガー、ヘイデン・クリステンセン、ほかプリクェルを彩った俳優陣が再集結し、E P3と4のミッシングリンクを描く。こんなの期待しないわけがない!....のだが、なんとも勿体無い作品になってしまったなぁ....と言う印象。

はまらなかった一番大きな理由は、スターウォーズに特有の未知の世界観を除き見るようなワクワク感を全く感じることができず、閉塞感ばかりを感じるような作品になってしまったこと。戦闘もいまいち地味でのっぺりしてるし、登場人物もエイリアンが少なく人間ばかり。マンダロリアンには逆にそれを十二分に感じることができた。

それといくらなんでも作劇にツッコミどころが多すぎる。架空の宇宙のおとぎ話だからリアリティラインはガバガバで良いとでも思っているのだろうか。登場人物が全員馬鹿に思えてきてしまう。
映画のように尺が限られてるならある程度話の展開のために仕方ない部分もあるかもしれないが、ドラマで十分な尺がありながら、それを活かすことができていないと感じた。

ヴェイダーの描き方に関しては序盤からずっと違和感があったのだが、最終話で納得。
終始ぷりぷり怒っているので、人の怒りってこんなに続くものか?と思っていたし、アナキンからヴェイダーへの過渡期的な描写を期待していた故の違和感だった。だが、既にアナキンは存在せず、ヴェイダーという狂人がいるだけなのだということがよくわかる映像の説得力だった。
オビワンとアナキンをとりまくエピソードは特に5話の過去の特訓シーンと現在の戦闘を絡めたシークエンスが良くできている。演出がいまいちなので大きな感動を得るには至らなかったが、こういうのが観たかったと言える良い描写だった。

リーヴァ関連のエピソードは可もなく不可もなくと言った感じ。行動原理が一貫しており直向きなことから好感は持てる。この手の新キャラに(特にSWでは)ありがちなヘイトは彼女には起こらないんじゃないだろうか。
他の新キャラに関してはいまいち。
*追記 やっぱりヘイトあったみたいですね。悲しすぎる.....

アクションにはとにかく迫力と臨場感が感じられず、ライトセイバー戦の殺陣もよく観ると派手な動きをしている時もあるのだが、なんだか下手な踊りを見ているような気分になる。
アクションの見せ方が下手なのは致命的で、盛り上がるべき見せ場で悉く盛り上がりを欠いてしまっていた。

ミッシングリンクを描いた作品ではローグワンが成功しているが、あれはキャラが全員新キャラだったために自由がきいた。今作のように主要キャラばかり登場させると脚本の幅が絞られてしまい、思い切った展開ができないというのもストーリーに面白みを感じれなかった一因かもしれない。

今作はディズニーにとって失敗できない作品だったはず。金も時間もかけて満を辞して出した作品が、本当にこれなのか?と正直目を疑ってしまう。
スターウォーズという作品のブランドがどんどんと地に落ちていき、スタートレックのように死んでしまうのかもしれない。
この分ではアソーカのドラマにもあまり期待できそうにないし、残るはマンダロリアンだけだ。それすらなくなってしまったらスターウォーズはもう.........
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