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ザ・サーペントのBOONEのレビュー・感想・評価

ザ・サーペント(2021年製作のドラマ)
3.0
Netflixのリミテッドシリーズは面白いものが多いが、これはちょっと違った。面白くないわけじゃないし、物凄く凝って作られているのに、全然乗れなかった。犯人が胸糞悪いコソ泥強盗殺人犯で終始、イライラしてしまった。

私には合わなかった。
出来の良いドラマだとは思うが、この犯罪者に物凄い嫌悪感を持ってしまったので、ドラマ自体をあまり楽しめなかった。

初めて知った殺人犯だったが、薬を盛るだけの、ただの場当たり的なチンケなコソ泥強盗殺人犯にしか見えなかった。時代が味方して運良く逃げ切れただけだろうし。カリスマ的な魅力など感じなかった。

魅力的なカリスマ犯罪者に仕立てる為、自己陶酔型サイコパスな演出をしているが、わざとらしく感じ、更にこの犯罪者を嫌悪してしまった。ナルシスティックぶりが、もう、鼻についてしまってダメだった。
その為、60分×8話と言う構成も、長すぎて、辛くなった。

だが、最終話では解放される。
途中離脱すると、胸糞展開なだけで終わってしまうので勿体ないです。
また、バンコクの空気感が感じられるのは楽しかった。

実際の殺人犯シャルル・ソブラジをベースにしながらも、オランダ外交官のクニッペンバーグが主人公の話。
バックパッカーを狙った強盗殺人を各国連携して捜索する事が難しい時代で、地域の管轄などのしがらみで介入しづらい状況だったり、今みたいな通信技術もない。いくつもの障壁があり、ソブラジ有利な展開が続く中、クニッペンバーグの執念には心揺さぶられる。
見終わった時は、長く暗いトンネルを、やっと脱出したような感覚だった。

ただ、題材が題材なだけに、総じて少し退屈だし、フラストレーションが溜まる。
コロコロ過去、現在、未来に行ったり来たりするので、疲れる。
フランス語ネイティブな犯人と、オランダ外交官なのに、会話の途中からいきなり英語で展開されるのも?だった。エンターテイメントだから、そこ気にし出したらダメなんだろうけど。
時代も飛ぶし、クズな犯罪者が許せなくなるから、ある程度、シャルル・ソブラジの概要は知った上で観た方が精神衛生上は良いかもしれない。

生理的にこの犯罪者を嫌悪してしまった者の主観ですので、あしからず。
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