岡田拓朗

モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―の岡田拓朗のレビュー・感想・評価

4.0
モンテクリスト伯 華麗なる復讐
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遅ればせながら!
まさに華麗なる復讐劇で、空間や世界観もかなり独特で、現代を匂わせないような異空間を創り上げていた挑戦的なドラマだった。
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一か八か感あって、一話で離脱している人も多く、視聴率も奮わなかったそうですが、個人的にはかなりおもしろく、衝撃の連続なドラマだった。
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現実ではなく、異空間で起こる事象として今作を鑑賞していたわけだが、ストーリーが全て最終回のこれを伝えたかったのか、に終着する気持ちよさと人間の嫌な本性が消えない気持ち悪さとが混じり、何とも言えない感じになり、終わったあとは少しの間、呆然として何も考えたくならなかった。
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復讐がこんなに美しいと思った作品は初めて。
色んなところで起こる時すでに遅し感がすごかった!
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人は地獄を見ることで、変わる人と変わらない人がいる。
裏切られたことで暖(ディーンフジオカ)は変わったが、南条幸男(大倉忠義)と神楽清(新井浩文)は暖を裏切ったことで、あれだけのことをされたのに全然変わってなかった。
南条幸男は顔火傷から、暖を最後助けたようには思えたが…暖は復讐することで、それぞれに改心して欲しいとも思ったんじゃないかなというのが作った側の魂胆なのかなと。
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人間の汚い部分、黒い部分を見せながらも、それと対比するような人間の美しさや純粋さが見える部分もあって、そこだけが救いだった。
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すみれ(山本美月)が本当に美しかった。
あんな綺麗な涙を流せるのは、すみれだからか、山本美月だからか。
あれだけの多面な表情や演技を見せられる山本美月の女優としての凄さを改めて実感できた。
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森尾信一朗(高杉真宙)と入間美蘭(岸井ゆきの)には心の底から幸せになって欲しいなと思ったし、暖と愛梨(桜井ユキ)は復讐を皮切りにもっと心を通わせられる関係になって欲しいと思った。
あれだけの復讐における地獄を見せておいて、最後に前向きな希望を見せる展開はさすがに予想外だったなー。
「待て、しかして希望せよ」
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新井浩文は真骨頂の演技で、個人的に大倉忠義の演技も上手で驚いた。
山口紗弥加と稲森いずみの狂演もかなりすごかった!
岡田拓朗

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