長谷川リョー

生きるとか死ぬとか父親とかの長谷川リョーのレビュー・感想・評価

生きるとか死ぬとか父親とか(2021年製作のドラマ)
3.5
ジェーン・スーさんのエッセイが原案という『生きるとか死ぬとか父親とか』。人の一生が一つであることとセットで、家族もまた一つしかない。相対化が難しい対象の最たる例が、それぞれの家族なのだろうと思う。いかにその不確かな関係を受け止め、記述するのか。人間は不都合な記憶を封殺する。けれど、あるターンに行き着くと、ふとしたトリガーがその映像や物語を一思いに目の前に、無慈悲に引っ張り出すことがある。後悔があるから、慈しみがある。けれども、やはり、人間は変わることができない。