今まで見たり聞いたりして来た物の中で、一番自分の人生観に近い話だった。話のベースは恋愛やドラッグ依存に関する物として会話が進むけど、これはただ純粋な"人生"についての説教だと思う。長く生きるつもりはないという若きルーと、だったら死ぬ時どんな人でいたいのか？家族にどんな人だったと思われて死ぬのか？と、問いただすアリ。本当のどん底から時間をかけて這い上がってきたアリの話だから、信憑性が違う。こんな自分はあり得ない、最低、とか、人は全員嘘をついていて必ず裏切ると言いながら結局人のせいにして、ルーはなんだか弱い部分の自分を見ているようだった。それに対して"悪いことは長くは続かない"という話を対峙して真剣に説くアリは、強く生きようとする自分の姿のようで、まるで自分の中での葛藤を映像として見ている感覚だった。非常に良い短編映画を見たような、ドシンと重みのある衝撃。この特別編を見るために本編を見たようなものだった。初めて人に"詩を信じろ"と言われた。どんな神からだろうが宇宙からだろうが、自分の過ちを罰だと思える人は、間違ったとしてもきっと戻ってくることができると思う。
これは誰にとってもいいドラマではないのかもしれないけれど、私にとっては鏡のような話だった。
