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いだてん~東京オリムピック噺~のERIのレビュー・感想・評価

4.8
2020年〜2021年、東京でオリンピックだ何だって言っている最中にゆっくりゆっくり2周目を観てる。

3話「冒険世界」シナリオ読んだ後に本編見直すと演出がかなり神がかってる。調べると西村武五郎さん。スヤが電車を自転車で追いかけるシーンも四三がマラソンと出会う走る学生に囲まれるシーンも出会いと別れの人生が詰まっててたまらない。

4話「小便小僧」。ここで1話の正体が明かされる1910年マラソン大会。そして播磨屋さんとの出会い。再放送でもピエール瀧さんじゃなくなってたんだ。

5話「雨ニモマケズ」オリンピック予選会です。見れば見るほどキャスティング最高だよ。この1910年ぐらいの頃のまだスポーツって呼称も認識される前の、19人からマラソンは始まったんだなぁ。今は多くの人が走ってその楽しさを分かち合ってる。これが平和そのものだよね。

8話「敵は幾万」を観る。スヤさんの嫁ぎ先に兄ちゃんが頭を下げにいく。大竹しのぶさんの幾恵さんと綾瀬はるかちゃんのスヤさんの華やかさ。金栗さんのオリンピックを支えた人たちが熊本でもこうして想いを届けていたんだと胸を熱くさせる。夢はみんなで叶えていく

9話「さらばシベリア鉄道」さらっと話してるけど大森さんバスケとバレーボールを日本に持ってきた人なの?凄い人だったんだね(一回目見た時スルーしてしまった)大きな事件は起きないけれど17日間かけてストックホルムに行く道中が私はとても好き。距離を体と時間で感じる時代。

11話「百年の孤独」を観た。日本がはじめてオリンピックに参加した時のNIPPONに込めた想い。完全なるアウェイの場所でなにを信じるか。敵は自分。チャレンジすることの怖さと美しさが詰まった時間。やり切った弥彦の清々しさに涙が止まらない。誰かに勝つことより自分に勝つこと。尊い。

13話「復活」金栗さんがコースアウトしたとき地元の一家が倒れた四三に飲み物とパンを食べさせ休ませてくれた。マラソンは棄権となったけど命はあった。一方ラザロはマラソンコースの中で命を落とした。人生ってわからない。治五郎さんの大森監督への叱咤が心に響く「胸を張りたまへ」

14話「新世界」美濃部くんを送り出す師匠。餞別だと言って敷島(高級タバコ)を3箱を渡して見送る師匠のシーン、何回見ても動けなくなる。いいシーンだ。四三と弥彦が日本に戻ってきて時代は明治から大正へ。時代はいつだって大きくうねりながら人は信念を持って生きる。志が人を導く。

15話「あぁ結婚」スヤのお姑さん(大竹しのぶさん)の演技が光る。オリンピックを追いかける四三を夫に選ぶスヤの懸命に生きる姿に惹かれてるから四三を認めている判断軸がいまとてもグサグサきてしまう。結局は人なんです。

16話「ベルリンの壁」世界では第一世界大戦が始まってしまった頃、オリンピックのシンボルマーク5大陸を象徴した五輪の知らせが嘉納先生の元に届く。一方、孝蔵は新聞記事で師匠が亡くなったことを知る。無銭飲食で捕まった牢屋の中で。森山未來くんの落語シーンは惚れ惚れするなぁ。バナナ食うみたに(芸を)やれよという言葉に少し芸に近づく孝蔵。その裏でまーちゃんは遠泳で腹痛に倒れ込んでいた。田畑の男は長生きしないという呪い。この話の3つの人生が交差する脚本と、今と過去・史実を行ったりきたりする演出。スタッフさんの仕事も素晴らしすぎて畝る。師匠の「泣くやつがあるか」に毎回号泣してしまう。


17話。「いつも2人で」第一次世界大戦の影響でベルリン大会が中止になり、失意の四三の元に心配したスヤは東京へとかけつける。スヤと四三の関係が素晴らしい。四三は新しい夢に駅伝、治五郎先生は東京でオリンピックをやること。どん底に落ちたからこそ見えた景色がある。なかなかできないことだけど、落ち込んだらふと顔を上げていたいなって思う。

18話。「愛の夢」四三とスヤさんの相思相愛、スヤさんは器が大きいなと思うものの誰よりも走ることに夢中の四三さんを理解して本当に愛したんだなぁと。そしてスヤさんのこの頑なさにお母さんも大事に大事にしたんだろうと思う。大竹しのぶさんと綾瀬はるかちゃんの関係もまたとてもいいのだ。

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2019年リアルタイムの時も、宮藤官九郎が描く近現代史を毎週見られるいだてんは奇跡みたいだ。スタッフもキャストも素晴らしくて。神回ばかり。
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