皮カルビ

SHOGUN 将軍の皮カルビのレビュー・感想・評価

SHOGUN 将軍(2024年製作のドラマ)
4.8
史実には基づいていないので歴史ドラマではないが、そのような風格。
曇りがちでじめじめと湿度が高い独特の景色で物語が展開される(もちろん監督の意図だろう)。そういえばVikingsなんかもこんな感じだった気がするので、欧米人の好みなのかもしれない。
ドラマは厳めしい雰囲気で有ながら心理描写が細やかで見応えがあったし、私が中近世を舞台にした作品に求める血なまぐささが十分に描かれていた。カトリックとプロテスタントの対立を描いていたのも新鮮だったし、よくある「白人男性が異国の地の女をものにしてナルシシズムに浸る」というような下らない作品にもならなかった。
やや中華風の髪型や衣装があったり、時代考証的に妙な部分は確かにあったが、それらは日本の大河ドラマでも見受けられるレベルに留まっていたのでスコアにはあまり影響していない。
真田広之はかつてラストサムライの時のインタビューで時代劇を復興したいという旨の発言をしていたが、その伏線が回収されたように感じた。
このドラマを機に潤沢な予算で豪華な日本史ドラマが制作されることを望む。