たいよーさん

初情事まであと1時間のたいよーさんのレビュー・感想・評価

初情事まであと1時間(2021年製作のドラマ)
3.2
大なり小なり、監督の個性が光るオムニバス。好きな作品も普通の作品もあるけど、谷口恒平の作品がダントツで好き。各話をざっくりレビュー。


1話『心の容れ物』橋口亮輔
ドールを扱うような繊細さと体を重ねる優しい空気は微笑ましく温かい。独創的なスタートで、万人受けしなさそう。
綺麗な空気に入る異物みたいなおばさん、いらなかったと思う。

2話『初体験まであと1時間』三浦大輔
うぶを引きずる大学生の初情事。漏れに漏れまくる心の内がリアルかつヒリヒリする。何しても頭に"アレ"がちらつく。
木竜麻生がいい演技。初情事のタイムロスは面白かったが、2話で観るには少し早すぎたかも。

3話『ビフォア』大九明子
高貴なフランス映画のよう。おしゃれな作品にも大九監督らしいエッセンスが入っていて、優しい初情事に。
いい歳の取り方をした大森南朋と松雪泰子にホレボレ…。田舎の空気が匂う作品。

4話『姉と妹』谷口恒平
中田青渚が出ると知ってからずっと楽しみにしていた作品。危うげな三角関係をチラつかせながら刻々と迫るあの時間に心がヒリヒリ。
作中の余白に滲む人となりのくすぐったさ。そこの引き出しが上手い良作。

5笑『決戦の金曜日』谷口恒平
シリーズの中で1番好きな作品。岡本玲とラランドニシダによる駆け引きが可愛く、初情事までの伏線も上手い。
人のくすぐったい感情を刺激する軽快な会話劇がたまらなかった。

6話『浮気の理屈』三浦大輔
さとうほなみと中尾明慶という意外なカップルの浮気。必死に正当化しようとするが…。
そこにあるモヤモヤした感情は何か分かる。それを可視化する三浦大輔の脚本が光る。

7話『プラスマイナス、インタレスティング』大九明子
ラブコメを得意とする大九監督の本領を感じる作品。趣里のコメディエンヌぶりが意外だったがハマっている。
そこまでヤるにも大変なのか…と思う波乱ぶり。無駄にスケールのデカさを感じる。

8話『鍋の中』橋口亮輔
鍋はそこまで突かないし、腹の中をあれだけ見せながらテーブルを囲えるのは怖く、微妙。
大友花恋と細田佳央太の組み合わせは良かっただけに勿体ない。


もう4話はネット限定だそうで。カップルの数々からして、既に観たくなる…。
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