2018年、なにかと平成最後だなんだと言われることが多かった。年末のくだらねぇ暇つぶしの番組じゃ、平成の30年間を振り返るみたいな内容ばかりだ。
わたしは平成のアタマの方に生まれて、時代の変化も特に感じぬまま、同時進行的に成長し、今を今として大人になった。
悟り世代として、なるべく傷つかないやり方を体得し、よりスマートなやり方を求めてきたし、求められもした。
泥臭さとして認められてきたやり方が"パワハラ"になる世の中だし、主観よりも客観の声がより強く聞こえてくる世の中だ。
宮本がかっこいいと思うことや、出てくる答えは今の時代からしたらナンセンスかもしれない。効率は悪いし、身の程知らずでみっともない。
恋愛も仕事も、しなくていいことをして、追い込まれて、自分の情けなさに酔っている。
自分のかっこいいと思うやり方でしか自分を納得させることができない不器用な男。
自信のなさをいろんな言い訳で武装してどうにか立っていることを、情けないと思っている男。
そんな宮本が、わたしは好きだ。
2018年、平成最後の夏に、そんな男に出会えてよかった。
型通りの暑苦しさと情けなさに、真正面から胸震わされたんだ。
宮本の熱は確かに受け取ったから、スマートさの仮面の中でわたしは静かに燃やしていこうと思う。