外面

真犯人フラグ 真相編の外面のネタバレレビュー・内容・結末

真犯人フラグ 真相編(2022年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます






全話見ました。


ほらな…………結局2クール引っ張るとどんな結末でも完全にスッキリはしないんだよ……………なんだこのモヤモヤ………
まず良かったところ。圧倒的に回想の少ない日野を置くことで、もう1人の友人河村への疑いをなくした点は良かった。ミスリードさせられやすい。あと鍵交換してた伏線で、交換してて相良家の鍵ばっか出てたけど同じように菱田家の合鍵を真帆が持ってて、それを奪って侵入という流れは綺麗だった。

ここからはモヤモヤポイント。
秋元康の脚本は殺人犯を狂人とすることで辻褄を合わせようとしててモヤモヤする。ここまで引っ張ったのに真帆ちゃんが好きだ!良介は欲しいものを簡単に手に入れて捨てる!で殺すのは違くない?なんかそれっぽく「最高のノンフィクション小説を書き上げたいんだ」みたいなことも言ってのけたけど狂人感出そうとしてる感があって違和感あった。自分の夢を潰して叶えている良介が憎い、っていうのは一般的な感情の動きというか通常の殺人における心の動きだと思う。けど後半のノンフィクション小説を書き上げたいみたいな部分の心情って憎しみとかとはまた別の次元にある狂人の感情だから両立しないのでは?憎しみなら憎しみ、狂人なら狂人として一貫した動機であって欲しい。
河村ラストの「またお前の新作が読めるのか(泣き笑い)」みたいなのバチクソ腹だった。いやお前どの立場からもの言ってんだ??全くもって気持ち悪い。俺を殺せ→殺さない!子を守る!→崩れ落ちるみたいなよく見る展開で流れる感動させようみたいな音楽にも心が全くついてこなかった。河村も良介も日野もおじさんの泣く演技は素晴らしかったけどキャラクターへの感情移入出来なすぎて?だった。
良介は本当そろそろ自分軸での人生も生きような?優しすぎという言葉では表せない人間で気持ち悪い。あそこでいっそみんなを苦しめてごめんと自殺くらいしてくれたら展開として面白いのに。まあ子供が救われなさすぎるからダメか。真帆は死んでて結局被害者みたいになってるから許されている雰囲気出てるが一夜とはいえ不倫して子供作ってんじゃん。なんにも同情できん。結局林との子供ができてる時点で許せん。子供を家族を信じます!って死ぬ前に宣言したら今までやってきた悪事全部チャラになるんですか?そんな甘い世界なんですか?無理で草。日野の妻設定も無理やり全部繋げている感じがあって嫌でした。
河村の軸がぶれているのここにも感じる。作品でも負け真帆ちゃんが好きだったのに奪われた憎しみ?真帆ちゃんが良介を欺いた憎しみ?林が真帆ちゃんと良介を苦しめた憎しみ?なんか憎しみの方向性が定まってないのでは?結局林のことも真帆ちゃんのことも殺して良介のことも苦しめてるよな?なんのための殺し?って感じ
あとこういう長編なら尚更脚本は最後まで渡しておくべきだと思う。なんかいつかの番宣で「脚本最後まで渡されてないから犯人僕達も分からないんですよ〜」と言っていたのが心に残ってて。長編で視聴者が納得するためには2つ必要だと思うんですよ。1つはオチの衝撃と面白さ。もう1つは見返した時の一貫性。河村が犯人だと言われた今、1話から見直して「確かにここ怪しいわ…」と思いたくないですか?けどこれは思えないといいますか…確かに脚本としての伏線回収は出来ていたのかもしれないけど、その脚本の河村と人が演じている河村には小さい違いが生まれてるわけじゃん。その場では小さい違いでも2クール続けたら大きい違いだよ。自分が犯人だって分かって演じるのと犯人わかんないな〜あ俺が犯人なんだって演じるのでは一貫性に違いが出るでしょう。河村役の演技力の高さは周知の事実なのでこれは脚本の渡し方と河村への深掘り不足が原因だと思います。まあ河村にだけラストまで渡してた可能性もあるけど、それならそれで細部の行動が不自然すぎる。困らせて救ってっていう流れの救いの部分は物語を面白くするためみたいなこと言ってたけどそういう裏が1ミリも見えない救い方ばっかりしてくるので後付け設定に見えてしまう。
最後の佐野勇斗のシーンセリフ「愛してるよ!」はオタクを喜ばせるために入れたとしか思えない。言わせときゃオタクが喜ぶだろと思っていそう。


まあなんだかんだ離脱はしなかったので。それなりには楽しめました。
秋元康は絶対に嫁を殺さないと許さないマンなんだな〜と思いました。
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