木曜劇場を苦手とするフジテレビにとってはなかなか見応えあるドラマ。企業同士のコンゲームを、時系列を変えながら見せていく手法も好み。
純粋に脚本が凝られているので、序盤のリードが見事にミスリードになっているのが上手いと思えた。確かに、台詞の中にはステレオタイプな部分はあるんだけど、それより骨太なドラマを見せてくれるから引き込まれる。大げさに言えば日曜劇場で扱うような題材だし、実はクオリティも低くない。常に蛇足を伺わせながら、本質がブレる事なく走っているので面白い。斜陽産業である出版の中で電子マンガを題材にするのも的を得ている。そこでお金が絡みながら奔走する人々をクローズアップしたのもかなり面白かった。
江口のりこの関西弁も効いていたし、赤楚衛二の子供っぽさも段々と表情が強くなっていて、キャスト面も充実してた。その中でも、志田未来の凄みを改めて感じる。どこに置いても機能するし、華もあるから見てて心強い。終始好きなキャラだったかも。
なんとなくだが、木曜ドラマ枠でやるべき方向性を照らしてくれるような作品になったのではないか。かなり多彩な表情を感じられるドラマで好きなタイプだった。
