このレビューはネタバレを含みます
ONE PIECEの世界をちゃんと実写化してる。世界観の作り込みが凄くて、シロップ村の変化に1番驚いた。このシロップ村を見せられると、実写版ウォーターセブンが見たくなる。
メインの5人はそこまで忠実なビジュアルではないけど雰囲気がキャラクターそのもの。ルフィの俳優さん、元から腕が長いので伸ばしてるのかと見間違えることもある。そういうところもルフィにピッタリ。コビーやゼフを始めとした周りのキャラクターは結構ビジュアルに拘ってる。だけどシャムが女になってたり大胆なアレンジもあるけど悪くない。ガープやゼフ、モーガン、ミホークみたいなおじさん組が良い。
予告の「強いやつは技名を言うんだ」って言うルフィにゾロが「言わねぇよ」って冷たく言うやり取りがあったけど、ゾロに技名を言わせないための台詞だった。漫画やアニメだと出来ても、実写じゃさすがに無理って判断したのかな。ルフィやウソップ、サンジは言ってるし。ゾロは技名を言えないせいか、漫画を思い出させるようなポーズを取ったりしてアクションの見た目に拘ってる気がする。アクション全体は凄い良いってわけじゃないけど、イーストブルー編で全力出しちゃうのも違う気がするし、原作通りいくとアクションはさらに凄くなるので余力を残してるのかな。
ストーリーの忠実度で言ったら全然高くないんだけど、テーマがブレてるわけじゃない。一味がバラけて集結する展開は原作だと何回かあるけどそれは中弛みするし、 1時間×全8話でやる以上テンポ良くしないと難しいし、これが最適とは思う。細かいところまで原作への忠実さを求めるタイプじゃないので、個人的に許せるレベルの改変だった。
ウソップが登場するシロップ村のストーリーも結構改変されてるけど良い！原作通りだと島の海岸にある坂道でクロ達と戦うけど、あのままだと見栄えは良くないからこの改変は正解だと思う。クレハドールが本当に怖い。まさかメリーが死ぬとは思わなかった…。
バラティエ編が1番アレンジされてたかなぁ。クリークはバラティエを襲撃しないし、サンジはゾロとミホークの決闘を見ていないのに、ナミは見てる。サンジがバラティエを離れるシーンも、原作に比べたら相当あっさりしたものになってたけど、原作やアニメでやってたあの構図は実写でやるの難しそうだし、実写でやるにはちょっとドラマチックすぎるしやらなくて良かったかも。やったとしてもアニメの方が良いって言われそうだし…。ミホークがガープからの要請でルフィを捕まえにいくんだけど、七武海で1番気まぐれと言われたミホークが素直に言う事聞いてるのには違和感あった。だけど実写版ミホークもかなりかっこいいし、出番が増えてたから良し。
アーロンがかなり早くから登場するけど、そもそもイーストブルーで恐れられてる1番怖い海賊っていう設定だから、そう思えば早めの登場は有りかな。ネズミとの会話で奴隷制は廃止済みってサラッと言ってたけど、どういう意味なんだろう。魚人が奴隷になることは無いって意味なのか、人種を問わず奴隷はいないって意味なのか。天竜人の奴隷はどうなってるのかな。ノジコがナミの目的を知らないのは残念だったかなぁ。無理のあるストーリーにはなってなかったけど、ノジコが刺青を入れた理由が無くなっちゃうのが残念。
全編を通して登場するコビーの掘り下げがすごい。ガープの元で海兵として成長していく過程が原作より丁寧。ガープの出番もかなり増えてルフィを追いかける海兵の役回りで、原作にはない展開だったからちょっと不安だったけど（ガープの割に仕事しすぎだし）、ルフィが海賊としてやっていく覚悟があるのか試しただけだったのが分かったのは安心した。そもそも原作のガープが息子は革命家、孫は海賊になってるのに、本気で怒らないなんて器がデカ過ぎると思ってたけど、今回のドラマオリジナルの展開はW7や頂上戦争でのエピソードを補完することになるんじゃないかと思ってる。そこまでドラマ化したらの話だし、原作通りになるのかも分からないけど。頂上戦争で赤犬を止めるコビーの伏せんになるやり取りもあった。
ゾロをスカウトするバロックワークスやコビーとガープのエピソード、ロジャーの処刑の場にいるシャンクスなど、原作がかなり先まで進んでるから出来る再構成が良い。2時間くらいの映画だったら多分やらないだろうな。英語版のサンジは1人だけブリティッシュイングリッシュなんだけど、5人の中で唯一ウェストブルー出身だからってこと？細かすぎない？
本来なら出てくるはずなのに出てこなかったキャラクターも結構いた。
ジャンゴ、ニンジンたち、ジョニーとヨサク、パール、ハチ、他にもいるかも
ローグタウンを訪れる手前、進水式をやって終わって、スモーカーの後ろ姿で終わり。評判も良さげなのでシーズン2はいけるんじゃないかな？個人的にはW7まで見たい。あの街を実写化してほしい。
