こはやし

イカゲームのこはやしのレビュー・感想・評価

イカゲーム(2021年製作のドラマ)
3.8
韓国の財政問題、社会階級、財政難民、資本主義

この作品の一つの概念として、金持ち(政府、資本家)=人を信用しない、他人より己。

[キャラ構造]
おじいさん=上級国民
主人公=中産階級
旧友=元エリート階級
アリ=出稼ぎ難民
セビョク=財政難民、北問題
ミニョ&ドクス=財政難が起きると楽して稼ごう   として増えるタイプ、ミニョは特に資本主義の産物というイメージ特に韓国では女性の権利が日本程よく無いイメージ
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[パクり批判]
・日本のデスゲーム物の文化との困惑
・日本産では心理戦、ゲーム性に重点を置く
イカゲームは物語(多重構造)に重点を置く

 2話目以降観進めるとゲームが思ってたのと違う…に陥る。ここで評価が分かれるように思う。日本の漫画の系譜に慣れているとデスゲームには心理戦、頭脳戦を求めてしまう。その違和感から意味を探ろうとしないと楽しめないのかなと思う。
 パクりとインスピレーションを勘違いしてる人多いなと思った。

[ゲームがつまらない]
・黒幕を示唆、年代、国(VIPを想定すると各国で 何度も執り行われている)、誰のためのゲームか。
・ゲーム性に関しては民主的で一見昔遊びに見えるがあくまで資本主義的構造を備えたゲームであり、ルールに関して融通が効かず運営が絶対的である姿勢をイカゲームが崩さないのは社会構造そのものをはめ込んでいるからである。

[後から気づくお爺]
 おじいさんの伏線として、「だるまさんがころんだ」を誰よりも笑顔でめちゃくちゃに楽しんでる違和感。この時はボケちゃってら程度にしか思えない。過半数投票の際、何故か後ろの番号から順番に票を入れて、1番のお爺さんが最終決定を下し参加者の意思を煽ぐ。就寝時間後の争いを「お終いにしてくれ〜」と叫ぶと何故かフロントマンはその通りにする。この辺りで「うわ、まじか…」となる。最初は気づかなかったが最初の参加者だから1番なんだと思った時は自分の中で確定要因になり怖くなった。
 1番怖いと思ったのは、主人公にあそこまで優しくされていたのに死ぬ最後まで人を信用していない、正確には信用しないからお金を持てたということである。主人公と番をする夜に無意識に死んだ友の話をポロッとしてしまう所に怖さを感じる。懐に金を蓄え、生に面白みを感じなくなり隣で死んでいく命に無頓着で笑顔にゲームをこなしていく姿は政府そのものである。
 作中生き残ることに必死な参加者に対していつでも楽しむことを優先していることがわかる。1ゲーム目前述、型抜きでは自らまあまあ難易度の高い星を実践し、綱引きでは過去の武勇伝片手にチームワークで熱く楽しみ、ビー玉では故郷の模型を懐かしみ友人を手に入れる。ここで主人公に勝たせたのはじいさんの信念と主人公の信念どちらが正しいのか試したかったのかな?
 資本主義下の縁の下の力持ち事皆様プロレタリアは金がない代わりに心を持っている様です。
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