ベイビー

ガンニバルのベイビーのレビュー・感想・評価

ガンニバル(2022年製作のドラマ)
4.5
めちゃくちゃ面白すぎる!
いや、怖すぎる‼︎

第1話目からグイグイ引き込まれて、全7話あっという間に観終わってしまった。

漫画が原作の今作。Disney+という潤沢な資本のもと制作された背景もありますが、日本のドラマも撮影技術が上がり、漫画の世界観を見事なクオリティで映像化できるなんて素晴らしすぎます。

特に第3話のクライマックス。穏やかな車中の会話から突然アクションへ以降した時のカメラワークがお見事。視点が車内から外へと飛び出し、また狭い車内へとワンカメワンカットで映し出される。

もうどうやって撮ってるんだろう。という思いと展開の面白さで観ていてテンションブチ上がり。このワンシーンだけで名作確定だと感じました。

それでもってキャストの皆さんも素晴らしい。

前任者の失踪により供花村の駐在員として左遷を命じられた警察官、阿川大吾を演じたのは柳楽優弥さん。この得体の知れない村での出来事に、大吾の中で芽生える正義と狂気。その感情の切り替えを見事に演じ分けられていました。あの一瞬にして狂気に切り替わる演技は柳楽優弥さん随一ではないでしょうか。

その大吾を精神的に支える妻、有希役を演じたのは吉岡里帆さん。演技派女優と言っても言い過ぎではないくらい素晴らしい演技。リアルな生活感を漂わせ、等身大の主婦の目線から供花村の異常さを伝えてくれていました。「ハケンアニメ」でも地味なキャラを見事に演じられていましたが、今作もダサ目な服装で地味な妻役を好演されています。

そして謎の一族である後藤家。その一族の次期当主となる後藤恵介を演じたのが笠松将さん。当主というある種カリスマ性が求められる役柄を見事な存在感で演じられました。以前、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない」の第4話の「ザ・ラン」で見事な肉体美を披露されていましたので、今作でもあのバッキバキな腹筋を見てみたい… と思っていましたがそれは叶いませんでした。

あと何と言っても「あの人」の存在。「あの人」と言えばヴォルデモートが頭に浮かびますが、個人的にはこっちの「あの人」の方が断然恐ろしい!

この作品の

「狂うか、喰われるか。」

というキーキャッチコピーも秀逸。もう全てが完璧に思える、日本製ドラマの最高峰作品。この作品観たら身の回りに居る“後藤さん”に警戒心を抱く人が続出するかも?

ただ一つ、全7話を観終わってもモヤモヤが残るのが難点。早くシーズン2を観せてくれー!
ベイビー

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