TVN開局15周年ドラマ。10周年の時の「トッケビ」に比べ、やや地味な印象だったけれど、おそらくこのドラマ、製作意図自体が違う。1本1時間×16話のドラマではなく、16時間の尺を16分割した映画なのだと思う。感情の上り下りや、わかりやすい共通の敵を配さず、ただひたすら地味に、実直に、山岳救助隊員の日常を描きつつ、山の事故に見せかけた連続殺人を描いて行く手法は見事。カメラワークはまさに映画のようで、自然の壮大さ、繊細さ、レンジャーたちの疾走感など、今までに見て来たドラマにはない感覚。
宇宙人に恋する大女優、数百年の時を経て恋を貫く人魚など、奇想天外な役のドラマが多かったチョン・ジヒョンが、このドラマではほとんどノーメイクで、重いリュックを背負って、山道を走る、跳ぶ。豹のようなしなやかさが美しい。役作りでここまで体を作ったのだとしたら、この人本当にすごい女優さんだ。華のある俳優さん、味のある俳優さんを多数配した豪華出演陣の中で、心に残ったのはオ・ジョンセさん。天性の才能か、努力の結果か。
「ＣＧが笑止千万、ＰＰＬが露骨」、「製作費の無駄遣い」など、酷評されているけれど、最後の「ンナワケあるかー！」な結末を含めて、静かな感動が残る良質なドラマだったと思う。
まあ、チュ・ジフンのファンなので、話半分で聞いといてください。
