全体的にフワフワした作品だった。恋に仕事に描きたいのは分かるけど、仕事に私情を持ち込みすぎてバランスが悪かった。
突然会社の社長を命じられ、無理難題に奔走しつつ、恋もする…。百歩譲って松田翔太演じる社長だけが私情を持ち込むのならいいのだが、意外と皆持ち込んでくる。恋愛は確かに相手を知ることから始まるかもしれないが、会社を描いているのにそこを入れる為、凄く見にくい。
キュンキュンさせる要素も割とベタだったし、何ならどっちでも良くなってくるくらい引っ張る。『ファイトソング』と違い、人の姿だけで心情が上辺だけって感じがする。
それでも評価を落としきらなかったのは、キャストに尽きる。笠松将さんと片山友希さん目当てでもあったので、しっかり爪痕を残してくれる感じが良かった。映画の畑をやっていたからこそ感じる、キャラのしっかりとした色味。モタモタ、ガチャガチャしていただけに、出番がそれなりにあったのは大きかったかな。
水10は面白いのと中身が薄いものの差が激しいので、観る前に見分けるのが難しい。今回は厳しかったな…。
