このレビューはネタバレを含みます
ストーリー自体の発想はすごく面白いと思ったが、壮大なストーリーに対して劇的な演出が薄いように感じた。事件や危機が繰り返し起こるが、淡々と処理される感じが、全体的にインパクトが薄いと感じた理由だと思う。
また、キャラクターへの共感度が低かった。コンユとペドゥナに比重が行きすぎていてほかの隊員の素性が理解しにくかったためだろう。メインキャラクターの2人に対してもバックストーリーが少なくて共感できるという程ではなかった。説明不足感はあった気がする。
しかし、お姉さんの「あなたに海を見せたかったの」という言葉はこれから地球が直面するかもしれない危機を生々しく物語っていて心に響いた。そこまで彼女を、そして多くの人々の道徳心を盲目にさせてしまうほど、地球資源の枯渇、迫り来る地球と人類の滅亡への道は恐ろしいものだと感じ、ドラマの枠を超えた迫り来る現実性があった。
宇宙という舞台、水が枯渇した地球、増殖する月水、汚染と人体実験、等、取り扱うにはヘビーで理解が難しい内容が盛りだくさんだったにも関わらず映像的にクオリティが高くコンパクトに内容をまとめたのは純粋にすごいと思った。
