切なくて美しいドラマだったと思う。脚本ユ・ヒョンミ、演出チョ・ヒョンタクのSKYキャッスルコンビ。メインの若手俳優たちは敢えて抑えた演技でじっくり見せて、脇を固めるベテラン勢はオーバーアクションでドタバタ感を出して、息が詰まるような内容を和らげてるところが計算し尽されてる。BLACKPINKのジスが、可憐で可愛い。チョン・ヘイン君、綺麗すぎない顔が（誉め言葉ですから！誉め言葉！）、どんな役でも自由自在。フワフワした役が多くて苦手だったユ・インナさん、キレのある役柄がインパクト。そこそこのドラマで主役をつとめられる級の役者さんをこれでもか！と豪華配置して、どの一人も自分の立ち位置で大きな花を咲かせたキャスティング。寮の中という狭い空間で似たようなシーンが続いて途中ちょっと中だるみ。
放送中止の国民請願だの、スポンサー降板だのと他の事で騒がれて、違う意味で注目されてしまったことが気の毒。「民主化運動の時代背景を傷つける舞台背景」って、わかりやすく言うと、自分たちの価値感とは違う価値で歴史ドラマ作っちゃいかんということですかね。「麗」の時、史実に基づいた異母兄妹結婚が散々やり玉に挙げられたことを思い出す。自分たちが信じたくないことを歴史歪曲と呼んでしまうのならば、ドラマに描かれた時代と何が変わったのか。愛の不時着の二番煎じと揶揄されたけど、JSAや愛不時は良くてこのドラマが許されない理由は何だろう。素敵なドラマだったけど、胃もたれしたような視聴後感。
