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DEUCE/ポルノストリート in NY シーズン1のCinemanのレビュー・感想・評価

4.0
ジェームズフランコの一人二役は、正直ちょっと煩わしいかな...
双子である意味はあまりないような気もするせいかな..
見ていくと、この演出はどちらかというと演者としてのフランコ本人のために設けられた気もする。なんというか、良い人ヅラのヴィンスだけ演じてると、むず痒くなってくるんじゃないのかな。フランキーでやりたい放題の男をやってこその、エセ常識人ヴィンスの演技なのかな..

売春からポルノへの移ろい..これが男たちの独壇場物語にならないのは、NYという街の歴史としての視点が入っているから。
地味になりすぎるくらい、淡々と描かれていくところがよかった。

ポルノ撮影現場で、女優と現場スタッフの女性の目が合っていたり、今までになかった視点が出てくる。
『パム&トミー』でも思ったけど、ポルノ関連の実録を描く近年の作品は、そこに女性の視点が介在していて、しっかり当時の銅時代の中では見えていなかった構造を炙っているのが特徴的。
アダルト業界の多角的面、ギャング、警察の腐敗、ジャーナリズム、娼婦、バー、土建屋、ピンプ、ゲイアクター、レズビアンアクター...そしてフェミニズム、ヒッピー
それらに横糸として絡む人種、ジェンダー..
ため息の出る完成度の脚本。
特に黒人、女性という視点がしっかり据えられているのが絶妙。
ダイナーでの店主によるピンプの殺害なんかも素晴らしい表現力のあるシーン。
バーに勤めるヒッピーのお嬢様が繋いでいるなんとも言えない娼婦たちとの関係性もいい。
彼女に金を渡された娼婦が1人颯爽とさるシーンも大好き。立場の違いや格差なども否定せず、しかし媚びる描き方もしないで、本当にうまく女性の連帯を描いていたのに感動した。


クリス・バウアー、トゥルー・ブラッドぶりに見たけど、笑っちゃうくらい見た目が完全一緒で役所もなんだか同じような感じなので、一瞬同じ世界線の住人かと思った笑
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