白昼夢

二十五、二十一の白昼夢のレビュー・感想・評価

二十五、二十一(2022年製作のドラマ)
5.0
初めの数話は、90年代の若者の青春群像劇、くらいに思って観ていた。しかし最後まで観た今、もっともっと深い所で、愛しくて、悲しくて、まぶしい物語だったことが分かった。

永遠について。
手洗い場の水しぶきも、
橋から見た大きな虹も、
ピンク色に染まる空の下で見た海も、屋上からの花火も。
消えずにずっとそこにあれば
果たして美しいままなのだろうか。
すぐに儚く消えてしまう一瞬だからこそ、
補正され、美化され、私たちの人生を長く彩ると思う。
あっという間に消えてしまった愛おしい時間も、今の自分の土台となってわたしを形作っている。
永遠だと思っていた、私たちの夏。
あの頃の夏は、間違いなく彼女達のものだった。

これはドラマだというよりも 本当の恋愛、友情、愛を描いた感じ。あまりにもリアルだからこそここまで感情移入してしまうのだと思う。
時代によって出会い大きな愛をもった2人が
新たな時代によって別れてしまうというやるせなさ。
結局人間は時代に翻弄されながら生きていくのだと痛感させられた。
苦しいことやつらいことばかりの試行錯誤の日々の中で、お互いの応援が、愛が、彼らの確固たる支えになっていたこと。
消えることなく彼らの糧になっていたこと。
その経験が今の彼らを作りあげているということ。
それがすべて。過ぎていって消えていく出来事を、ただ悲しいもので終わらせないでくれてありがとう。
再び同じ傘の下に入ることがなくても、
肩を並べて歩くことがなくても、
同じ目的地に向かって走る2人は
眩いくらいに輝いていたよ🥲

ナ・ヒドという未熟な1人の少女が、
様々な困難と出会いを通して強く賢い大人の女性に成長していく様を、

ペク・イジンという「絶対に幸せにならない」「何事にも期待していない」と言っていた1人の青年が、1人の少女に期待をし幸せを知り、そして最後には世の中に期待をするようになった姿を見て、

ここまで2人を見届けることができて
本当に良かったと心の底から思う。

''記憶の中のどこかにフィルターで補正して
おぼろげに残っている美化された青春''

そんな青春も悪くない

綺麗事が本当にまるでない作品で、ドラマを見ているというよりも実際に90年代に生きた少年少女たちの人生を
ミンチェと一緒にのぞき見したような感覚。
こんな貴重な経験なかなか出来ないよなあ。
こんな素敵な作品を本当にありがとうございました、、、‼️
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