Kazu

二十四の瞳のKazuのレビュー・感想・評価

二十四の瞳(2022年製作のドラマ)
5.0


NHKでドラマ化されるんだなぁ〜『二十四の瞳』、
久しぶりに観てみよう、と思い録画しておいた。

あまり期待せず観た今作は、随分前に観た木下監督作品よりも泣いた。

映画とドラマの比較では映像のダイナミックさは確かにドラマが劣るが最新の画質、映像の美しさは素晴らしい、
何より脚本が良い、心情に訴えかけて来るアプローチがとてもストレートだった。

制作陣の中に戦争経験者など誰一人としておらず、戦争に反対する思いが遠慮なく脚本からも伝わって来た。

冒頭の玉音放送、日本が負けた、戦争に負けた、
何度も子供たちが負けたと叫ぶ。

今までの作品では終戦と言葉されることの方が多い。
終戦でない、敗戦、負けたのだ。

玉音放送、何度聞いても虚しさが込み上げる。
当時、この放送を聴いていた日本人の胸の内は本当はどうだったのか?

大筋は過去作と全く変わらない、しかし何かが違うと感じた。

大石先生を演じる土村芳さんがとても素晴らしい、何作も映像化されている作品のヒロインを演じることはプレッシャーがあったことと察するが、
とても自然で爽やかで、今まででいちばん感情移入した。

生徒役、子役を演じる俳優たちのお芝居のレベルがすごいです。

子供たちにスポットが当たり今現在日本で増加しているヤングケアラーといわれる子供たちを強く感じた、
この二十四の瞳の物語は過去ではない、時代は繰り返すと言う人がいるけれど、繰り返しではならない時代を悲しくもまた繰り返されているのが今の世の中です。

純粋でキラキラした子供たちの瞳を濁してはなりません。
Kazu

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