激重ドラマでしたが、見ごたえ・凄みどちらも充分でしっかりおもしろいです。
なんせ最初のエピソードが子供が子供を殺す事件から始まり、ずっっっっしり「罪と責任」を描いていくし、被害者と加害者の親も描きこまれるので多層的でした。
韓国の少年法は日本のものと似ていますが、運用がだいぶ異なるようです。ドラマでも「少年部」として、少年犯罪を専門に扱う部署として描かれていました。判事と被疑者の対面審議となるので、法廷シーンも見どころ。
各エピソード2話の全10話なので、構成はシンプルでしたが殺人・性犯罪・更生の問題・家庭内暴力・受験競争など社会でインパクトがあるテーマをしっかり扱ってありました。
むしろ、サスペンスやショック描写などを割愛し凝った展開じゃないぶん少年犯罪の割り切れない面を見せつつ、犯罪の構造を解いていくヒューマンドラマにした試みだったのだと思います。
少年法につきまとう「未熟なら罪を逃れられるのか」「責任能力とは」ってとこと、家庭環境や再犯、裁かれないことで法律を甘く見た犯罪の常態化なども盛り込んでありました。
最後のエピソードは話題になった「n番部屋事件」をモチーフにしてあるようです。
キムヘスが硬直で信念の強い判事、キムムヨルが心優しく更生を注視する判事で、過酷な背景を持ちながら考え方が違う法曹人を演じコントラストが抜群。ベテラン勢もイソンミン・イジョンウン、特別出演ユジェミョンと安定中の安定ライン。
イソンミンとユジェミョンはこないだ日本公開があった汚職刑事映画で共演を見たところだったので嬉しい顔合わせ。
ほんと韓国ドラマ、おもしろいです。
