ここのところスタンダップ・コメディを数本観ていたので、目に留まったこのドラマシリーズ。
コメディアンをこころざす若者たちの群像劇で、舞台はパリ。主要人物4人中3人が移民の2世というところにも興味を惹かれて見始めると…面白い！
自信まんまんな顔でステージにあらわれ、あたかもその場で思いついたことのように話すネタが、こんなに一語一句練り込まれたものなんて！…想像すればわかりそうなものなんだけど、その過程をこうして見せてくれると、あらためて「笑い」ってすごく繊細なものなんだなぁと感じる。
そんな繊細な作業をするコメディアンは、当然繊細な感性を持っていなきゃいけないのに、相対する現実には鈍感力が求められる。まずステージに立ってひとりで話し続けることができないと始まらないし、シラけた表情や嘲笑、意地悪な視線にも涼しい顔して耐えなきゃいけない。そして何より自分や家族のプライベートをさらすことによって起こる影響は計り知れない…なんと険しく厳しい道だろう。
それでも、夢をを追う若者たちの姿には元気をもらえる。女性陣のファッションもさすがパリ、お洒落で楽しい。
「笑い」の持つ奥行きを思うと、尻込みしたくなる気持ちにもなるし、その深淵を覗き込みたい気持ちにもなる。シーズン2ありそうな終わり方、期待しよう！
