ぱた

ウチの夫は仕事ができないのぱたのネタバレレビュー・内容・結末

ウチの夫は仕事ができない(2017年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

つかぽんは仕事が出来ないわけじゃ決してなくて、優しくておっとりしていて許容範囲が広いから同僚から舐められてしまい"仕事が出来ないやつ"認定されてしまっていただけの人だった。
外面が良くて力の抜き方を分かっていて、多少威張っている人の方が得する組織の中で、一生懸命頑張るつかぽん。根拠のない噂や一つのミスだけで同僚からなかなかにパワハラまがいのこともされるけど、彼はやたらと打たれ強い。優しい性格が故に損を被ってしまうつかぽんが多少天然なのと、心の広い妻サーヤが側にいたおかげもあるけど、そっとやちょっとのことでは潰れない。あんな会社を辞めないってのがすごい。ずるい人間になるくらいなら少しくらい自分が損してもいいって思えるつかぽんを見ているともどかしいけど、そういう優しい性格をサーヤは愛しているんだなって思った。
だんだん同僚からの信頼も得ていくつかぽんだけど、これはつかぽんの努力だけではなく周りの同僚の成長がほとんどだと思う。根本的な部分ではつかぽんは変わっていなくて、周りの見る目がただ良く変わっていっただけなんだなと感じた。一緒にいると見えてくることってたくさんある。つかぽんも良い夫になろうと努力しようとしていたけど、あんま染まらんといてーとも思った。
"男は仕事をしてこそ一人前"的な社会からの圧は男性にとってもプレッシャーではあると思うので、こういう男社会に馴染めなさそうなおおらかな人が主人公であることは一種の救いだと思うけど、妻サーヤの描き方はかなりジェンダーバイアスがかかっているなと思った。サーヤは料理も上手だし人としてとっても優しくて素敵だけど、社会からはみ出すつかぽんに比べて、典型的な"理想の奥さん像"そのものだった。どんな時でも夫を支えてあげることこそが正義だとみなされたら女性にとってもプレッシャーですよという感じだし、割にはあってないと思う。さだまさし作詞の関ジャニの主題歌も歌詞が関白宣言の時から全く進歩してないなと感じた。つかぽんが求めてる家族の形ってこうではない気が…という違和感が主題歌に対しても抱いてしまった。関ジャニ∞のことはめっちゃ好きな分とても複雑だった。
でもつかぽんのお姉さんは役としてめちゃくちゃ好き。自由奔放で、このドラマにこういうキャラクターの女性がいてくれて良かったなーと思う。このドラマのスパイスだったわ。
典型的な"家族像"を賛美しているドラマではあるけど、つかぽんやサーヤみたいな優しい人が報われる世の中であればいいなと思えた。ミュージカルシーンは別にいらんかった。
ぱた

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