エリー

Pachinko パチンコのエリーのレビュー・感想・評価

Pachinko パチンコ(2022年製作のドラマ)
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100年前の物語

原作を読んでくれと言われて、夢中になって読みました
ドラマでは日本占領下の朝鮮・釜山から大阪へ引越したくましく生きるソンジャと、バブル崩壊直前のブイブイ調子に乗ってる日本でのソロモンとを行ったり来たりのとんでも脚本

改変はあれど原作で深く描かれなかった部分がじっくり描かれていてより入り込めるけど
より悲壮感溢れる脚本になっていました
映像になると日本人クソ野郎すぎる
7話のハンス回なんなんですか、つらすぎ
そんでリョウスケさん爆イケでは?笑

内容に似つかわしくないハッピーなオープニングが印象的で、真っ白なチマチョゴリを着て踊るソンジャが世界一かわいい
決して交わらない世代の面々が楽しそうに手を取りあっている、泣ける
良すぎて毎回スキップする気になれなかった

ソンジャのキャスティングがぴったりすぎます
他キャストも単純に朝鮮語・日本語・英語できるキャスト揃えるのに苦労しただろうに、違和感少なくほんとすごい
そして影島の風景が美しすぎる
結婚式の光の演出からヨンジンが白米炊くまでのシーン素敵すぎない?泣いた

日本人としてはなかなかに辛いものがありますが、偏った歴史しか教えない日本の教育では知ることのできない現実を感じることができます

苦難に立ち向かいどんな形であれ生き抜いていく人々の逞しさ、切っても切れない家族のつながり、失ったものへやるせなさ、どうしても乗り越えられないものへの無情さ
ありとあらゆる感情でぐちゃぐちゃのべちょべちょになります

長い歴史の中で傷つけられた人々の悲しみや、否応なく実感する外様の感覚は消えることはなく、世代が進むにつれ歴史に翻弄され続けるアイデンティティに自問自答する
貧しい時代も豊かな時代もそれぞれに悩みはつきない

「痛みは消えない、耐える方法を学ぶだけ」

パチンコ台をちょこっといじるだけで玉の出が大きく変化するように、わずかな出会いやタイミングの違いによって、人は振り回され、人生に大きな変化が生まれ
長い時間をかけて世代で受け継がれる
パチンコってタイトル秀逸すぎるよなぁ

キャラクターみんなそれぞれに魅力があるけど一周まわって結局ソンジャがすき
たくましくてほんとかわいい

センシティブすぎる歴史において、全てを正しく理解できなくても、自分の意見をしっかり持っていたいし
知らないことを恥だと思える人間でいたいです

これ課題図書では?
世界が平和になってくれ、たのむよ
エリー

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