Kaede

石子と羽男―そんなコトで訴えます?―のKaedeのレビュー・感想・評価

4.1
毎話毎話、スカッと痛快だったり、心がじんわり温まったり、いいドラマだったなあ。
そして終始可愛いの渋滞が起きていた。石子も可愛かったし、羽男も可愛かったし、パパも可愛かった…
大庭っちも塩崎さんも、みんな石子が大好き。石子可愛くて綺麗だもんね、言葉遣い美しいし…メロメロになっちゃうのわかる…

さてさて、どの事案もよかったけど、特によかったのは事案2と事案7。

事案2。
最初は正直、ただ親の願望を押し付けているだけなのかなと思って見ていたんだけど…。
文字通り朝から晩まで働いてロクに寝られていないのに、ちゃんと手の込んだ料理を作って、しかもその風景を動画に撮ってちゃんと色々おしゃべりもして、自分が働いている間、こうたくんが一人でごはん食べることで寂しさを感じさせないようにするなんて。
子のために頑張る母も、無理しすぎている母のために仕込んだ子の嘘も、純粋にお互いを思い合っていて、素敵な関係だし、そんなこうたくんに育てた母は本当に逞しくてすごいよ。

事案7
肉体的な暴力で子どもを支配する大人も、性の暴力で子どもを搾取する大人も。
ほんとになんでそんなおかしな人がいるんだろうな。受けたこと全部、その子の心の一生の傷になるのに。
個人的出来事もあり色々思ったけど、いま現在絶望しかない子どもたちには、ただ生きてもらえれば、それだけでいい。
今はなくても、この先ぜったい、あなたたちにはいいことがぜったいにある。
周りが信じられなくても、この先ぜったい、あなたたちにはいい人がぜったいに現れる。
親の暴力なんて全部最低だから。心も体も一方的に傷つけられるだけ。いつも近くにいる存在が暴力を振るうなんて、安心できる場所はどこにもないんだと考えるしかなくなる。でも環境を選べない子どもは、そこで耐えるしかなくて。どんなひどい親でも、子どもは親を選べない。子どもに対して、親の影響って計り知れないのに。
▷響いた言葉
「人生は些細なことで変わると思うんです」(by石子)

ついでに事案8について感じたこと。
ああいうビジネスは人の褌で相撲を取るようなもので、まったくフェアではなく非倫理的だと思っているので、世論に追い込まれてよかった。
しかし、「よかれと思って」っていうのは難しいな。誰かの「よかれ」は当人にとってはただの迷惑かもしれない。口コミを書いた「よかれ」は迷惑だったけど、仕入先探しの「よかれ」はいいことで。
子たちは父のわがままだと思って隠れ家コンセプトに反対していたけど、実はそれは母の願いで、母の思いを父は亡くなってからもずっと守り続けていて。それってただ純粋な愛だよね。
最後には子の意見もしっかり取り入れてくれて。お父さんやさしかった。
対話すること、歩み寄ること。大事だよね、うん。
▷響いた言葉
「誰かのために、ほかの誰かを苦しめていいんでしょうか」(by石子)

最終事案はご都合主義バンザイだったけども、石子のセリフはじんわりよかったなあ。
「奥さまを無責任に批判する人は、奥さまを救ってはくれません。声を上げることで、ご自分を守ってください」


にしても、アンナチュラルといい、MIUといい、最愛といい、新井さん×塚原さんのドラマが大好き!一人ひとりの登場人物がまるで実在している人物みたいに、いいところも悪いところも全部出されていて、それがリアルな人間味を感じさせてくれて、だからこそ深く入り込んでいける。
ただこのお二人がタックの作品、唯一であり、けどずっっっと気になっているのが、最終回。
毎作最終回まではこれ以上にないほどベストなボリューム感なのに、最終回になると急に詰め込みすぎて入り切ってない感じのストーリーになっちゃって、まるでハイライトを見せられているような気分になってしまう。
ちゃんと時間内に落とし込めるのがベストなんだろうけど、そんなことはお二人のファンからすればどうでもいいので、入れ込みたいことすべて詰め込んだNoハイライトな最終回を見てみたい(2時間くらいなら入るのか…な……?)

それと、石子の司法試験結果について、結果がParaviの塩介と甘実に出てますよ〜〜〜!
見なくてもわかると思うけど、気になる方はぜひ!!!!!
Kaede

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