坂本裕二作品からしか得られない栄養を摂取できて、心が健康になった。登場時は個性の強いキャラクターのやり取りでたくさん笑えるけど、話が進むにつれてそれぞれの弱さや優しさ、人間味が漏れてくる。その弱さを隠したり、身を守るために本音や素直な返事ができないのだと思うとあまりにも人間臭くて愛おしい。そのギャップが坂本裕二作品の特徴であり、替えのきかない栄養なのかな、と思った。マーヤのヴェールは日常のいろんな場所を覆っているのだと思う。ヴェールがかかっていることに気づける大人になりたい。ヴェールを剥ぎ取れる大人になりたい。