おらおらせきタン

ウィローのおらおらせきタンのネタバレレビュー・内容・結末

ウィロー(2022年製作のドラマ)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

救世主エローラ・ダナンを様々な犠牲もありつつ必死に守り切った前作、今作でも彼女を守ることが最優先となるのだが、父マットマーティガンが彼女を守るために自身や家族のことを置いて去ってしまったキットの嫉妬やあるいは「救世主」の重圧に苦しめられるエローラ自身の苦悩など、ファンタジーの冒険譚でよく描かれる価値観の裏側を丁寧に描いたうえで、自分の大事なものも全て守り切る。『ウィロー』は自身の信念を貫くことを良しとしてきた作品だからこそ、己の大事なものをすべて守るというテーマはその延長線上にあるものとしてスッと受け入れられる。
また、メインキャラクターの奥はマイノリティということもあり、彼ら彼女らが信念を貫き自身の存在を主張し様々な衝突もありつつ成長していく物語は、随所で前作のオマージュを挟みながらもただノスタルジーで終わるのではなくアップデートされた物語として素晴らしい。
非常にバランスの良い良作であっただけに、シーズン1で打ち切りというのはあまりにももったいない。