見終わってから知ったけど脚本が「アメリカンビューティー」のアラン・ボールだった…彼の作品は余程私の中の何かを揺さぶるらしい。
第1話を見始めた時「これ何が面白いの？」と思って見るのやめようかどうか迷った私。今や遠い昔のようだ笑
スカッとする勧善懲悪も健気なラブロマンスもドキドキする謎解きも無い。なのにどうしてこんなに面白いと思えるのだろう…
とある家族のたった数年間を追ったドラマなのだけれど人間同士のエゴの不協和音をずっと聞かされている感じで何度も「なんで私これ見てんだろ…」と思うのに、心のどこかで「そうだ、人生ってそうなんだよね」と思ってしまい、この家族から目が離せない。
シーズン5まで続いているという時点でこの作品がどれほど人々を捉えて離さなかったのかがよくわかる。
皆孤独で人を求めながらも他者への思いやりに欠けていて、卑怯で不器用で人も自分も傷つけてばかり。関係が良くなったかと思えば予想もしなかったことでまた崩壊し、修復しかけたと思えば相手は突然いなくなる。
嘘をつかないから衝突する。
嘘をついたら後で衝突する。
皆努力していても壊れるのは一瞬、良くなるのは少しずつ。どの時点で終わるのかは誰にもわからない。
↑私の言葉で書いても陳腐なだけだから是非実際に見てみて欲しい。
当然私は日本人だから理解出来ない価値観も出てくるし、ぶん殴ってやりたい程腹の立つ描写も出てくるけど「私だってそうだ。一所懸命生きてるつもりでも醜くて卑怯で外っ面を繕ったり人を傷つけてばかりだ」とハッとさせられる。
でも、それが人間で人生で、続くとは限らないし、続くかもしれないよ。
終わりに向かって生きているのが人間だよと、知ってたはずのことを教えられる。
大そうなことを成さなくても人間ってみんな綺麗なんだな。と思わされるドラマでした。是非見てみて欲しい。
