Ayumi

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌のAyumiのレビュー・感想・評価

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(2022年製作のドラマ)
3.5

見始めた時は、やはり少し複雑だった。自閉症スペクトラムはみんなが弁護士になれるほど能力が高いわけではないし、職場の人とうまくコミュニケーションがとれるわけではない。だから、自閉症を抱える人、その近くにいる人にとってはこのドラマを見ることは複雑な気持ちになるんじゃないかなと思った。

ただ、3話で自閉症の次男が事件を起こしたとして相談に来る話で、その母親が同じようなことを口にしていた(私たち夫婦は、あなたを見ると複雑になるのよ、と)。たぶんこの製作陣は、そういう批判が来ることを承知の上でこのドラマを作ったんじゃないか、と思った。けっして良い面だけを描くわけではないということも。この3話では、ウヨンウが自分の弁護士としての力不足を実感する様子が描かれる。驚くべき記憶力で難事件を次々と解決する天才弁護士の話ではないんだな、と思った。

私は最終話が好きで、ウヨンウがある人物に「私の人生は変で風変わりですが、価値があって美しいです」というシーンでは号泣してしまった。障害のあるなしにかかわらず、特定の人に対して価値がないかのように言う人がいる。でも、「私の人生は価値があって美しいのだ」と皆が言える世界になればいい。そんな製作陣のメッセージをひしひしと感じた。

私たちの住む世界はひどいこと、悲しいことが多いけれど、少しずつでも変えていけるかもしれない。そんなふうに思えるドラマだった。
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