私はアラン・パーカー監督の『エビータ』が好きで、何回も見返した。同時にエバ・ペロンという女性に興味は湧いたが、彼女の人生を深く調べようという気は起こらなかった。

映画はマドンナを主演に据えたアメリカ作品だった。そのため、アルゼンチン側から批判があったそうだが、本作は本国で作られたというから、ある程度は折り紙つきかと思われる（注・まったく批判がなかったわけでもなし）。

ちなみにサブタイトルからして、エンバーミング加工された遺体が辿った運命がメインだが、妾の子供として生まれた彼女が、単なる大統領夫人以上の存在として国民に愛された半生についても並行して描かれる。

太く短い人生と死後に起こった逸話の数々。正直、どこまでが本当か？　まず驚くのは、遺体の行く先々で献花と献灯が行われ、メッセージが残される点。これは大佐が見た幻だろうが、ドラマ的には引き込まれた。

あと、遺体が腐らないことにも。遺体保存技術について調べた際、保たせられる日数に限りがあると聞いていたからだ。しかしもっとも印象に残ったのは、この遺体に何人もの人々が惑わされ、人生を狂わされたところだろう。

ちなみにスピリチュアル的には、遺体は魂が離れた時点で関係を失うという。いわば、ただの抜け殻。だが、残された人々はやたらと執着する。それはたいがい慈しみだが、エビータに関しては狂気や悲劇も生んだ、という話である。

［ドイツ語吹替音声＋日本語字幕］2025/11/18-24　Disney+
※作成後、AIの意見を参考に追記

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