両刃の斧のカズミのネタバレレビュー・内容・結末

シリアス系のドラマWの王道、といった感じ。予告編の雰囲気から覚悟はしていたが、ヒリヒリした緊張感が終始続いていくストーリーなので、いつの間にか暗い海の底に潜水していくような気持ちになり、途中で集中力が切れてしまった。
暗く重い題材を扱うときこそ、感情的な緩急というか、コミカルなシーンや愛らしく憎めない登場人物などで心を緩ませた方が、後のメッセージがより響くのだろう、とその重要性を再認識できたドラマ。

序盤で亡くなっている展開に違和感があった妹の存在が真相に絡んでくるのは「なるほど意味があったのか」と思ったが、気が動転していたといえど瀕死状態の姉を救急車も呼ばず放置して自分の過失はギリギリまでひた隠し、あれで彼女が病死していなかった場合、“不器用な家族の愛──”的展開に収まったのだろうか？　ということが気になりすぎていまいち感動できず、個人的にはなんとも釈然としない気持ちで腕を組んで唸ってしまった。

演者さんたちの熱気や真剣を斬るような応酬は見応えがあるので、どシリアスが好きで、重さに抵抗がない方には面白い作品なのではないか、と思います。