こなつ

シスターズのこなつのレビュー・感想・評価

シスターズ(2022年製作のドラマ)
3.4
韓国の名女優キム・ゴウンXナム・ジヒョンXパク・ジフ達が初めて姉妹役として共演。

貧困家庭で育った三姉妹が韓国最大の権力者たちの巨大な陰謀劇に巻き込まれていく社会派サスペンスドラマ。

脚本家のチョン・ソギョンがアメリカ文学の名作「若草物語」の姉妹達がもし現代の韓国にいたらと着想したことで生まれた。

貧しくも慎ましく美しく苦難を乗り越えていく「若草物語」とはかなり違った印象。「シスターズ」は、貧しさ故に心が傷つけられ、お金がないことで人生を諦めていた姉妹が、突然大金を手にして、巻き込まれる数々の事件。それはかなり現実離れした設定であり、韓国ドラマ特有の愛憎劇あり、復讐劇ありのサスペンスになっている。

次から次へと登場人物が増え、謎が深まるにつれ、どう繋がっていくのか見当がつかないまま、最後まで完走した。

自分に逆らうもの、必要ないものをバッサバッサ殺して切り捨てて行くサンア。最初は悪の根源だと思っていたサンアの夫も彼女の手のひらに乗せられて消えていく。

大金を手にしたことで諦めていた夢を叶いたいと思いながら醜く執着する長女インギョ(キム・ゴウン)
記者として頑なに真実を追い求める怖いもの知らずの次女インギョン(ナム・ジヒョン)
姉たちの過保護から逃げ出そうとする四女イネ(パク・ジフ)
三女は早死にしている設定にして若草物語の韓国版。

この作品で重要な意味を持つ「青い蘭」というものは現実にも存在するのだろうか?胡蝶蘭の白やピンクは良く目にするが、あのように濃い青色は、「これは蘭です」と言われなければわからない。
もしあるのなら見てみたいものだが、この物語の青い蘭は死を呼ぶものとして使われているので、不吉なイメージになっている。

有り得ない設定ながらも、現実味がある演出の創りは、韓国ドラマの魅力であり面白さだと作り手の熱量を感じたドラマだった。
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