知り合いに脚本家や監督がいて、世間で話題になっている作品は皆さんチェックするみたいなのですが総じてこの作品のこと「言うほど…」と評していました。私も同意見です。
登場人物全員ツルッとマルッと綺麗に生きすぎてて違和感しかないというか、人間らしい欲や感情の描き方がまったくされてないんですよね(1話の最後の方で想が紬に向かって一方的に手話をして気持ちを爆発させていたのはよかった)。
湊斗が紬に「俺はこういうことを考えてしまうズルい人間なんだ」と言うシーンだって、そのズルさを自己完結させちゃってて他者とぶつかり合わせることをしないから逆に相関性が浅く見えてしまっているし、桃野さんが修羅場すらなく紬の前であっさり引き下がるのもそう。基本的にクネクネフニャフニャしてる登場人物ばかりだったなという印象です。これが優しさだって言うのならこんな胡散臭い世界ってない。
知り合いの脚本家曰く、すごさはこのドラマ自体に宿っているのではなくて、放送作品の実績がほぼ皆無の超新人脚本家が地上波で、有名キャストを揃えての連続ドラマを手掛けてるところにあると。ドラマ単体で見たらやはり新人らしい構成の作り方だし、粗削りなところが多いと仰っていました。
何だかんだ毎週見ていたし見て無駄だったとまでは思わないけど、特別記憶には残らないと感じるドラマでした。