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DOC(ドック)あすへのカルテのしおえもんGoGoのレビュー・感想・評価

DOC(ドック)あすへのカルテ(2020年製作のドラマ)
3.9
初のイタリアドラマ。

最初の3話ぐらいは主人公のアンドレアが記憶を失う前と後で人相が違い過ぎて、しかも別のひげ面イケメン(ラッザリーニ先生)とも区別がつかなくて「これ誰?」となっていたけど、徐々に慣れる。

検査でも分からない病名を、患者の隠し事や問題をアンドレアが中心となって寄り添う事で本当の病気が分かるというドクターハウスをもっと人情物にしたような話と、研修医4人の成長もの、アンドレア、アニェーゼ、ジュリアの三角関係の行方、4人の研修医間の恋愛模様が入り混じっていて、結構いいバランス。医療ドラマとしては「それ位最初の検査で分からないのかな」と思う部分もあるけど、まあ私には実態は分からないので何とも言えない。

特に記憶を無くして昔の魅力的な人に戻ったアンドレア
12年の間に傷つき、気持ちが冷めてしまったアニェーゼ
性格が変わった後のアンドレアも愛していたジュリア

という、誰にとってもしんどい関係は、恋愛ドラマとしてもなかなか見ごたえのあるシチュエーションだと思う。

決定的な悪者は医長(と言っても彼も小物感があって味わいがある)とその妻ぐらいで、後は欠点もあるけど基本は情熱を持ったいい人達。
最初はキツいの口調や嫌味な言葉を投げかけていた人も、段々好きになってくる。

しかし、ある意味人間らしいともいえるのだが、こうと決めて宣言したのにすぐに翻したり、心と裏腹の態度を取ってしまったり、感情的になって余計なことを言ってしまったり、あの人が好きなのに別の人と関係を持ったのにやっぱりあの人に戻ったり。
タイミングという意味でも、大事な話を言う直前に邪魔が入る、あと一歩ずれていたら遭遇できたのに会えない、余計な場面を見てしまう、こっちが心を決めた直後に向こうが別の人と接近する等、心身共に「すれ違い」が非常に多いドラマで、それが割とイライラしてくる。

だから全員好きだけど、全員イライラするという不思議なドラマだった。
最後まで普通に好きでいられたのはリッカルドぐらいかも。

その他ネタバレもあります

・アンドレアの家族、4人中3人が生死をさまよい一人死亡なんて不幸が過ぎる
・医療ドラマの宿命だが、主要キャストの家族の身に不幸が起きすぎ
・研修医のアルバが超美人なわけだが、その母親もいかにも「彼女の母親」という感じの超美人
・ガブリエル、事情は気の毒だけど、君のエリーザへの仕打ちは酷いよ
・最初かなり感じ悪かったエリーザが一番印象変わった。ツンデレが可愛い。
・アニェーゼは今は別の人と結婚してるんだから、離婚した記憶がないからって当然の権利みたいにグイグイ行くアンドレアに結構イライラ。婚姻関係を何だと思ってるんだ
・でも今の夫のダヴィデが絶妙に「優しいけどちょっと退屈」という雰囲気で、元の情熱的なアンドレアにグラっと来るのも分かる
・リッカルドがあの少年だったという展開は驚いた
・院内感染対策舐めすぎじゃない?
・ラッザリーニ先生の元カノのキアラ、あんなにあっさり改心しないと思うよ…
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