てろおか

THE DAYSのてろおかのレビュー・感想・評価

THE DAYS(2023年製作のドラマ)
4.4


フクシマ50でのよくなかったところ
が相当改善されており 良きです

あくまで吉田調書と門田隆将氏の原作を
ベースに史実的アプローチで作ったと
最後に記載されているように過剰に
やたら叫ぶ演技演出はなく ドキュメンタリー
タッチで淡々と状況を描いていく作り方は
非常に良かったです

竹野内豊 音尾琢磨は昔から大好きですが
今作でも特に際立って良かったです
特に竹野内豊の当直長
SOBまでは訓練通り淡々と指示を出していましたが
想定にない事態の連続に明らかに
キャパオーバーな脳みそをそれでも
フル回転させて過酷な指示を出して行く
様が本当にリアルで良かった
佐藤浩一より全然光ってました

あと地味に今回
アンガーマネジメントの重要性が
度々描かれてると思ってて
それは役所広司の吉田所長も
東電本社の光石研もすごく上手に
やられているなと思いました
トップ層の怒りとか焦燥って士気に
直結するので いかにそれをコントロール
していくかってめちゃくちゃ大事で
当然当時その辺の葛藤はあちこちの
現場であったと思うし その辺りも
リアルに感じた部分ですね
光石研は光石研らしく若干そこできてない
とこもありましたけどそれもリアルでした
喧嘩芸みたいな丁々発止のやり取りなんか
対策会議でしてるの映画ならともかく
実際に見たら 引きますしね


それでいうとアンガーマネジメントが
できないトップとして小日向文世が
すごく良い演技をしていました
むしろマイクロマネジメントに近い?
フクシマ50の総理はちょっと過剰過ぎましたが
保安院や東電から情報があがらずに
ああなったという今回の総理描写は
すごく良かったんじゃないかと思います
当時の対応は色々功罪あると思いますが
やはり本人の性格的に大臣とか
一つのセグメントのリーダーは出来ても
大組織のリーダーは根本的に向いてなかった
んじゃないかというのが正直な感想です
完全に河野太郎タイプだと思います
古今東西 将星たるものは大山巌で
あるべしだと改めて思いました


フクシマ50では何故か
東京五輪に結びつけて謎の
キャンペーンを打ってて最悪でしたが
今回は事故はまだ終息していない
という点を最後まで強調していて
その点は真摯だなと感じました



昨今の電気価格高騰に合わせて
色々議論もされていると思いましたが
本作鑑賞して改めて感じたのは
服務宣誓もしていない一民間企業の
社員にこれほどの状況を強いる現状って
普通じゃねえなと思いました


先祖帰り発想ですが
インフラ事業って民間でやるべきもの
なのか?と 考えてしまいます


フクシマ50では簡略されてた
陸自の放水作戦を割と時間かけて
描いていたのもとても良かったです

概ね描き方含めて大変高評価なんですが
フクシマ50含めて中特防 岩熊隊長が
出てこなかったり 現地調整所長
田浦副司令官が出てこなかったり が
あるので 相変わらずそこだけ
不満ポイントでした
ぬく
てろおか

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