あの時あの状況で憶測で物事を言わない、科学的に思考して正しい判断をされていた吉田さんの目線で語られるあの日々。
それだからこそ、リアリティに重点が置かれており、脚色もドラマも多くなく、ひたすら淡々と物語られる。
あの日々、テレビの画面越しに、煙を上げる福島第1原発の建屋を見ながら、絶対大丈夫なわけない、ちゃんと報道しろ、思っていたこと、周りの友人たちも、あの時これまで以上に政府やマスコミへの信頼感を失ったことを思い出した。
特に官邸のxxx大臣のおっさんたち、東電のトップのおっさんたちは原発の知識もなければ状況判断力も弱いし総理大臣の顔色伺うばかりで本当に無能すぎて呆れる。総理大臣は劇中では少なくとも流石にそこそこちゃんとはしていた。
現場で指揮をとった吉田さん、彼の下で現場で最後までできることを愚直にやり続けた現場の人々、福島を、福島の家族を守る、ただそれだけのために戦い続けた人たちの姿勢に学ぶところはたくさんある。
想定外の事態、想定し得る最悪の事態が次々と起こる中、それでも諦めなかった人たちがいたからこそ、今の日本がある。
しかし、そもそも、“安全な被曝量”は存在しないなんて言われているわけで。その部分にラスト踏み込むかな？と思ったら、あくまで臆測で語らない真面目な吉田さん目線で終了。そもそも地震大国日本になぜここまで多くの原子力発電所があるのか、そこの矛盾に踏み込んでもよかった気はする。
役所さん最高でした。
