劇場公開作「Fukushima 50」が２時間に
凝縮されていたのにくらべて、今作品は
全８話で構成されるドラマシリーズで
トータル８時間近くあるので細部まで
描き込まれています
渡辺謙か役所広司、佐藤浩一か竹野内豊
演者が比較さるのは仕方ないでしょうが
第一話で描かれる津波のシーンは圧倒的に
リアルでニュース映像などでは見られ
なかった視点は息を呑む迫力でした
13年を経ても廃炉へのスタートラインに
すら立てていない現状で、あの時に何が
起きたのか知るのは重要な事でしょう
刻一刻と悪化する状況下において
必死に最後の一線を守り抜こうとする
人々を淡々と映し出して行きます
見えない放射能の恐怖をいかに表現するか
滴る水滴や宙を舞う埃が象徴的に使われて
観ていて緊迫感が増す見事な演出です
周囲の様子は皆が周知の通り
最前線の現場と意思疎通もままならない
電力会社や政府なドタバタぶりも細部を
描写する事でその原因まで炙り出して
います
前述した二人以外にも音尾琢真さん
光石研さん、小日向文世さんら名だたる
俳優さんが惜しげもなく登場してます
不鮮明なソースをそのまま報じるマスコミ
デマで加熱するSNSなど醜悪な部分も
お約束のように語られてもいます
戦後の高度成長の礎ともなった原子力発電
その末路までしっかりと記している事に
この作品の真の価値があるように思える。
