ライダーの造形は良い。
政治色が強すぎるのが問題なのではない。
少年少女とライダーの関係の描き方が明らかに間違っている。
最後のシーンもそうだが、弱者を守る者としてのライダーの存在が不在している。そもそも人間だろうが怪人だろうが悪と戦ってきたのが仮面ライダーである。
かつてのライダーは、勿論商業面もあっただろうが、憧れる存在だった。憧れるのに必要なのは憧れる少年少女の存在であり、その憧れる少年少女がこの作品には全く登場しない。
そういう日本になったとか言いたいのであろうが、それはとてもイデオロギー色の強い描き方であり、ライダー作品とはそぐわない。総理大臣が悪だろうと、誰が悪だろうと、悪の魅力も描けていない。それは悪を見つめる者の「眼」がこの作品にはないから。そこがとてつもなく足りない。まあ少子化の日本だし少年少女向け作品ではないからなのかもしれない。でもこの元作品を観ていた人も元々少年少女だった訳でその視点が数十年ですっかりなくなったのかと思わせられるのは萎える。
造形や役者は良いからほんとに残念。
後半のビルゲニアやクジラ怪人は良かった。それはそこにかつての「仮面ライダー的なもの」を見るから良いと思うのではないかな？
あと光太郎があそこでいなくなったら、そのあと出て来るスカル魔に対抗出来る奴がいなくなるじゃんw
