るるる

フェンスのるるるのレビュー・感想・評価

フェンス(2023年製作のドラマ)
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「知ってるよ、ひどい話だよね。」
そんなこと言いながら、実際には問題に目もくれず通り過ぎていた。いや目を背けていたのかもしれない。それじゃあ、どこまでいっても他人事。

“基地問題が内地のことだったら政府は動くんだ”
この言葉にハッとした。
本当にそうだ。自分たちから遠いところへ追いやることで、その問題はあたかも綺麗さっぱり無くなったかのように思い込んでいた。

自分事にするのって何よりも難しいからこそ、考えて考えて、それでも答えは出ないかもしれないけど考えることから逃げちゃいけないね。

問題をきちんと問い掛けつつ、良い意味でしっかりエンタメとして昇華していて流石でした。相当なリサーチをしたんだろうな。wowowだけ、5話だけじゃ勿体ない、野木さんと松岡さんのタッグをもっと観たい。青木崇高さんも非常に良い。




あとね、
私は今となっては女でよかったと思ってるし、女をうまく武器にして生きていこうとさえ思ってる。でも、そんな私でもふとね、自分が女であることを急に自覚する瞬間があって、あーあ、なんだかなーと思うことがあるんだけどさ。
あ、そうか武器にして生きていこうと思ってたんじゃなくて、女として強くなるほかないと思ってたんだ。と2話のラストシーンで気付かされた。ありがとう。

この作品に良いきっかけをもらったのだから、ここからは自ら学ばなければ。何度も出てくる”捨て石”という言葉、愛する場所をこう表現せざるを得ない世界。勇気ある人たちの声を”しょうがない”の一言で一蹴するこんな世界。誰がどう見てもイカれているのだから。
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