せんな

三千円の使いかたのせんなのレビュー・感想・評価

三千円の使いかた(2023年製作のドラマ)
4.0
なんだかんだで毎週見逃せない面白さのあるドラマだった

「今が楽しければいい」と、将来のことを考えずにその日を生きていた主人公・御厨美帆が、ある目標を持ったことから、お金の使い方や自分の生きかたを見つめ直していく物語。

御厨家の面々と、彼女たちの周りの人々がみんな個性的。お金に対するそれぞれの考え方を持っていて、それぞれに悩んでいる。1話ごとに1人に焦点を当てられていて、どの回も見応えがありました。

好きなのは2話・おばあちゃんの回と6話・お父さんの定年の回です。特に6話は、お父さんから家族への強い思いがこもった長台詞に圧倒されました。正直現実にはこんなに簡単に変われないのではと思うけど、変わろうとするお父さんに、それをまっすぐ伝えようとする姿に、とても胸打たれました。

美帆と翔平の2人を見ていて、お金のことをしっかり話し合って深めていける関係ってとても素敵だな、憧れるな、と感じました。
最後の着地点、ふたりが婚姻届の代わりに交わしたものの強さと2人らしさに驚きました。

上品でかっこいい、中尾ミエ演じる琴子さんと、癒しオーラ全開な橋本淳演じる安生さんが特にお気に入りキャラでした 安生さんは一筋縄ではいかないかなり変わった人でしたけど…

人生へのさまざまな向き合いかたを見ることができたけど、全員が「誰かと一緒に生きる」こと、みたいなところに着地していた気がするのはちょっとだけモヤっとしたかな 

とはいえ、それぞれのお金との向き合いかた・生きかたを見られて、ちょっと勇気が出るような素敵な作品でした。
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