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FARGO/ファーゴ シーズン5のFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

FARGO/ファーゴ シーズン5(2023年製作のドラマ)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

完走。
過去に幾度となく暴力によって引き戻されるドロシー・“ドット”・ライアン(ジュノー・テンプル)がロレイン・ライオン(ジェニファー・ジェイソン・リー)とインディラ・オルムステッド(リチャ・ムールジャニ)という女性の協力によって過去と決別し「許し」によって一歩前に進むというプロット、且つてアメリカの理想を体現していたジョン・ウェインの様なルックの元夫ロイ・ティルマン(ジョン・ハム)によるMAGA的(簡単に言うとドナルド・トランプ)な視点から女性の共闘によって解き放たれるという方向性はあまりのも現代的。2014年から続く同シリーズの中でも群を抜いた今日的な舞台と脚本にはかなり痺れる。

今回はかなり映画版『Fargo』、もしくはコーエン兄弟の作風に寄った演出とストーリーで原点回帰を感じた。雪原という舞台はいわずもがな、結局「元に戻る」というストーリーは『赤ちゃん泥棒』だし、暴力シーンは『ミラーズ・クロッシング』や『ノーカントリー』を思わせるしといった具合に。シーズン毎に独立しているのでコーエン兄弟の映画に何かしら引っかかった事がある人は多分楽しめる。更に音楽は非アメリカ圏のプロディジーやシャルロット・ゲンズブールがかかり、人をくったような物語に拍車をかけまくるのもかなり面白かった。

この二か月楽しかった。
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