Emiru

FARGO/ファーゴのEmiruのレビュー・感想・評価

FARGO/ファーゴ(2014年製作のドラマ)
3.5
ストーリーと言うより主人公2人のキャラクター性が魅力的過ぎた。何をやっても上手くいかない小物中の小物で、小さな町に縛られたレスターと彼の常識を根底から覆しにやって来る人生ぶっ壊し屋のローン・マルヴォ。
生きる世界の違う2人が偶然出会った時、レスターはその邪悪な本性を表し始め、周りの人々含め彼の人生は破滅へと向かっていく。 正直、奥さんや弟が最悪すぎて彼らの不幸な本末も自業自得感が否めず、レスターのことも途中までは同情の目で見られた。途中まで。
とにかく素性の分からないローン・マルヴォ(これも本名が怪しいけど)とかいう殺し屋はドラマ史に残る悪役。ノーカントリーのアントンシガー級に魅力に溢れてる。冗談も言えるし愛想も良い。人の良い純粋無垢な聖人に扮し、化けの皮が剥がれた途端に無感情に人を殺しまくっていく。彼の唯一の趣味が依頼人との電話を録音したレコーダー集めとかいう悪趣味で謎すぎるものなのも乙。
彼はなぜレスターに声をかけ、その人生に関わったのか。なぜ彼にそこまで執着したのか。彼の本性も感情も分からないまま、このドラマは幕を閉じてしまった。でもそれが良い。
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