母がうつ病で自宅療養、父は脳梗塞で入院。献身的に両親をサポートする高校生のひかるは、ある日友達から演劇部の照明をやってほしいと頼まれる。
「照明くらいなら」と引き受けたひかるだったが、家族の状態が悪化し、掴みかけた青春をやむなく手放すことになる。
ヤングケアラーを題材とした単発ドラマ。
最近テレビをリアタイすることなんてあまりなかったのだけど、たまたまテレビをつけたらタイトルが出ていた。
何年も前に読んだ小説(映画上映中!)「月の満ち欠け」に出てきたのを読んでから「瑠璃も玻璃も照らせば光る」という言葉が好きで、なんとなく観てみたのだけど、とても良いドラマだった。
ひかる役の豊嶋花ちゃん、良いなあ。
「頑張らなくていいよ」
自分が言われたくてたまらないはずの言葉を家族にかけ続けたのは、頑張る苦しさを知っているからだろうな。
演劇部で浮いている立石瑠璃と出会い、胸の底を見透かされ、「家族が病気だから仕方ない」と蓋をしてきたほんとうの気持ちに少しずつ向き合い始めるひかる。
ひかるの場合は、もちろん瑠璃もそうだけど、あなたは今こういう状態で、家族のために頑張りたい気持ちはそのままに、だけどやりたいことがあるのならやりなさいと言ってくれる大人がいたことがすごく救いだったと思う。
そして孤独だった瑠璃も、ひかるに照らされてほんとうに良かったね。
短い時間できれいにまとまっていて素晴らしかった。
ヤングケアラーの子たちはどうしても「自分がやらなきゃ」「仕方ない」「これが当たり前」という考え方になっていると思うから、いまもどこかで家族のために、何かをすり減らしながら頑張っている子どもたちが、このドラマを観て「あれ?」と思うきっかけになったらいいと思う。
追記:教師役のラパルフェ都留、少しずつ阿部寛に寄せていくのやめてくれ。