nabi

今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~のnabiのレビュー・感想・評価

4.7
本当に見てよかったと思えるドラマでだった。精神科病棟で働く看護師が、心を患った患者さんと接しながら進むストーリー。

生きていれば、幸せな時もあれば、辛い時もあって。もう消えてしまいたい時もあって。この世のどん底にいるみたいな、暗闇の中で一筋の光も無い瞬間が、誰にだってあって。
でも、世間が精神的な病気に充てるのは、心が弱いからとか、病んでいるとか、「その人が弱くて脆い」みたいな言葉ばかりで。
まだ今の時代は、「精神的な病は誰にだって訪れる時がくるかもしれない」という認識が薄いからこそ、自分でも気付きたくない、気付いても人に言えない場合が多いと思う。

病気になったのは自分のせいだ、そんな考え方をついしてしまうのが精神的な病だけど、そんな人たちへの”救い”となるドラマだった。
終始、「あなたが悪いわけでは無い、誰だってそうなる可能性があるのだから、今暗闇にいてもちゃんと光のある方へ抜け出せる」そうやって問いかけてくれるドラマだった。

見ていて涙が止まらなかった。でも、いつかはちゃんと暗闇のトンネルも抜け出せそうだと励まされた。

色々と書き留めたセリフがたくさんあったけれど、中でも1つあげるとしたら私はこれ。
「ある脚本家が言ってたんです。飛び降り自殺をしようとする瞬間でも続きが気になるような面白いドラマを書きたい、と」
別にドラマだけでは無くて、例えばテレビで見たあそこに行きたいとか、あの人に会いたいとか、有名なあれを食べたいとか、そんな少しの楽しみを日常に散りばめて。そうして、生きていく理由、もしくは死なない理由を見つけるだけで良いんだと思う。

私が韓国ドラマを見続ける理由も、もしかしたらこんなところかもしれない。
このドラマもまた、そんなドラマだった。
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